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神樹兵輔「『縮小ニッポン国』のサバイバル突破思考!」

有名不動産業者に蔓延する詐欺的「囲い込み商法」 売り主と買い主両方に多大な損失(前編)

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競争のしわ寄せは「地主・家主・消費者」へ転嫁

 こうした需要の減退状況は、物件の売買・賃貸を生業とする不動産業界においても、年々深刻な問題になっています。売買においても賃貸においても、物件そのものが動かなくなってきていますから、サバイバル競争から悪辣な商法に走る業者も少なくないわけです。そこで不動産業界におけるいくつかの悪辣な事例を紹介していきましょう。
 
 まずは、売買の事例からです。不動産業者の売買時の仲介手数料は、客の「売り」もしくは「買い」の際に、それぞれの客からもらう「物件価格の3%+6万円に消費税」というのが宅建業法上では正規の金額です。「売り」と「買い」の客を別々の不動産業者がつなぐ仲介の場合には、当然ですがそれぞれの不動産業者の手数料収入は自分の客からの分だけということになり、これが本来の標準的な取引になるのです。

 ところが近年の不動産業者の中には、「売り主」に「専属売却委任契約」をもちかけ、他の不動産業者に売却依頼ができない契約を結びたがる業者が少なくないのです。その理由は、物件が売れた時に確実に自分のところに「売り主」からの手数料収入が入ってくるからにほかなりません。

 しかし、こうした縛りを入れられたら、物件の「売り主」は自由に複数の不動産業者に売却依頼することができなくなります。なお悪いことに、こうした「専属売却委任契約」を締結した不動産業者は、物件を囲い込み、他の業者経由の「買い主」を忌避し、自社へ直接買いにきた客にだけ売却するようになり、結果として「売り主」と「買い主」の両方からの手数料収入を得ようとするのです。

 つまり、他の不動産業者から売り物件についての状況照会があるたびに、すでに「当該物件は只今売買交渉中です」と嘘を告げることで、他の不動産業者付の「買い主」を遠ざけるのです。当然ですが、こうした行為が横行すれば物件はいつまでたっても売れなくなります。

 こうした業者は「売り物件」を市場で長い間さらしものにした挙句、「売り主」に対して「もっと売却希望価格を下げないと売れませんね」などと圧力をかけたりもします。売れる機会を自ら逸しているにもかかわらず、結果として「売り主」にはいくらでも「値引き損」をさせることにもなるわけです。

 とりわけ問題なのは、全国的に有名な大手業者にこそ、こうした囲い込み手法をとる業者が少なくないことなのです。流通市場シェアに一定の影響力を有するがゆえに、その過信から物件の囲い込みに走るのです。

 不動産を売ろうと考えている人は、専属売却委任契約が詐欺まがいの契約になりかねないと心得、絶対に結ばないようにしてください。諸外国では禁止されているのに、日本で野放しなのがそもそも問題なのですが、行政が放置している以上は自衛するよりほかないといえるからです。
(文=神樹兵輔/マネーコンサルタント)

【次回へ続く】

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