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“うさんくさい”株式指標は株を買わせるための道具?証券業界の都合で頻繁に変更の謎

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指標は世につれ世は指標につれ

 また、いわゆるキャッシュフロー経営が叫ばれた時期には「PCFR(株価キャッシュフロー倍率)」がもてはやされた。当時、バランスシート、損益計算書に続く「第三の財務諸表」として、キャッシュフロー(CF)計算書が登場した。その中の「営業CF」に着目し、株価を一株当たりの営業CFで割って算出するものだ。

 これはPERの補助的な役割を担っており、“堅気な指標”といえるだろう。現在はROEがクローズアップされているが、まさに「歌は世につれ世は歌につれ」ならぬ「指標は世につれ世は指標につれ」である。

PEGレシオに潜む危険

 最近、聞かれるようになった“バブルでやくざな”新指標のPEGレシオは、アメリカ人投資家のジム・スレイダー氏によって考案された。アメリカではすでに定番指標とされており、「GARP戦略ファンド」という、PEGレシオが低い銘柄を集めた投資信託も登場している。

 PEGレシオは、PERを一株当たりの利益成長率で割って算出する。利益成長率というのは、3~5年間のEPSの予想伸び率(%)で、これは企業によってアナリストの予想の有無が異なる。予想が出ていない企業は、過去の利益成長率をもとに推定する。

 なんともあやふやな計算式だが、全銘柄についてPEGレシオを計算、発表している証券会社では、企業が発表する今期業績予想の経常利益の伸び率を利益成長率として採用、公平を図っている。その場合、予想の期間は今期1年間になる。

 PEGレシオは低いほど良しとされ、1以下は株価が割安、2以上は割高となる。例えば、PERが同じ30倍でも、一株当たり利益成長率が30%と高いA社のPEGレシオは1で割安、15%と低いB社は2で割高と判断される。

 PEGレシオの根底には、実績データのPERに、今後の成長力を加味して判断するという考えがある。上場直後の新興企業や、特定分野で有望な企業など、株価が吊り上がってPERが高くなってしまった場合、PERの補助として使うのが正しい利用法といえるだろう。

 しかしながら、バブル期には指標が正しく利用されずに一人歩きしてしまう傾向がある。例えば、企業が発表する今期1年間の経常利益の伸び率予想でも、ゲーム・コンテンツ関連やスマホアプリ関連の新興企業は「100%増」「200%増」など、3ケタ増がゴロゴロしている。

 PERが100倍に届かなければ、株価がどんなに高くてもPEGレシオは1以下で割安と判定され、買い推奨には絶好の根拠になる。証券アナリストが「3年後は利益10倍」などというレポートを書いていたら、PERが333倍でも割安とされる。前述したように、PERの適正水準は14~16倍程度である。

 これは極端な例だとしても、PEGレシオの最大の問題点は「未来は誰にもわからない」という点にある。過去をもって未来を推定するとしても、変化の激しい経済はこの先、何が起きるかわからない。企業発表やアナリストの利益予想が下方修正された場合、PEGレシオは急激に悪化し、高株価、高PERだった銘柄の株価は大きく下落する恐れがある。PEGレシオに裏切られるリスクは大きい。

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