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中沢光昭「路地裏の経営雑学」

ダメな企業あるある!ダメな人がもっとダメな人を登用して人材レベル低下、エース社員が輝きすぎ

文=中沢光昭/経営コンサルタント
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●よくわからない顧問だらけ

 

 社長ないしは権力者による人事で直接会社にダメージを与えているケースとしては、よくわからない顧問がたくさんいるという例もあります。社員より高い報酬を受け取っておきながら、その実貢献していない顧問などです。だいたいにおいて権力者の友人、友人や取引先の紹介で就いており、実績に基づいて選ばれていません。そうした顧問が何か成果を上げることはなく、ひどい場合には姿を現さないこともあります。それでも若手社員より報酬が高かったりする例は何度も見てきました。

 筆者が見聞きした中での悪質な例は、A社にいた不動産顧問のケースでした。その顧問は経営者の友人の紹介がきっかけで就任したのですが、自分でも法人B社を持っており、A社の不動産取引のすべてをB社が仲介したことにしていました。誰も手を出さないような物件をA社に割高で契約させたり、相手方に圧倒的に有利な契約を結んだりしていました。なんでもいいので契約が成立すれば、B社に仲介手数料が入る仕組みです。それでもA社の経営者は、「●さんは安い顧問料で、よく物件を決めてきてくれる」などと能天気に評価していました。その顧問は仲介手数料を数千万単位で得ていたので、顧問料はタダ同然でもよかったのです。

 こうして取引した物件を整理するためには、契約の縛りがあるため1~2年はかかってしまいます。このように、リベートだけ懐に入れて逃げる顧問というのは、不動産以外にも情報システム、M&A仲介、物流などでもよく聞きます。大きなカネが動くところでは、いろいろな人が虎視眈々と儲ける機会をうかがっているのです。逆に生産現場のカイゼンなどは大きなカネを使うシーンが絡まないので、きな臭い話はほとんど聞きません。

 不動産や設備の問題は時間をかけて解消することができますが、変な人が連鎖して増えてしまっているという事態は、簡単には直せません。法律的にも社員を辞めさせることは難しく、業績の悪い会社を復活させようという時には、最も深刻な問題として最後まで横たわります。

 では次回からは、立派であるがゆえにさまざまなものが過剰になっている「ダメな大企業」について、その特徴を挙げていきます。
(文=中沢光昭/経営コンサルタント)

中沢光昭/株式会社リヴァイタライゼーション代表

中沢光昭/株式会社リヴァイタライゼーション代表

企業再生コンサルタント兼プロ経営者。
東京大学大学院工学研究科を修了後、経営コンサルティング会社、投資ファンドで落下傘経営者としての企業再生に従事したのち、上場企業子会社代表を経て独立。雇われ経営者としてのべ15期以上全うし、業績を悪化させたのは1期のみ。
事業承継問題を抱えた事業会社を譲受け保有しつつ、企業再生とM&Aをメインとしたコンサルティングおよび課題内容・必要に応じて半常勤による直接運営・雇われ経営者も行う。シードステージのベンチャー企業への出資も行う。
株式会社リヴァイタライゼーション 代表・中沢光昭のプロフィール

Twitter:@mitsu_nakazawa

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