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鈴木貴博「経済を読む“目玉”」

スマホをタップしている間に人生が終わる…時間の細切れ化→仕事の生産性低下をどう防ぐ?

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 ビジネスが求める生産性向上に限度がないという事実を、筆者が人生で最初に学んだのは18歳のとき、アルバイト先であるマクドナルドの厨房でのことだった。

 マクドナルドのハンバーガーは調理をするのに2分かかる。わたしたち店員はピーク時には、そのハンバーガーを2人1組で毎分12個生産していた。簡単に説明すると、2人がグリルでミートを焼く係と、ドレスといってバンズを焼いてそこにケチャップやマスタード、ピクルス、チーズなどを置いていく係に分かれる。ドレス役が準備したバンズの上に、ミート役が焼いたミートを置いていくことでハンバーガーが高速に生産されていく。

 あるとき筆者が仕事をしていた厨房に、マクドナルドの正社員がやってきた。毎分12個よりも多くハンバーガーを調理する方法を本社で編み出したので、それを伝授しようというのだ。教わってみるとそれは何かアクロバットのような方法で、ドレス役がバンズを焼くプロセスをこなしながら、あるタイミングでミート役のポジションに移ってふたり同時に肉を焼きはじめる。その途中でこんどはミート役がグリルから離脱してドレス役に入れかわる。そうやってぐるぐると役割を入れかわって生産してみると、確かに以前よりもたくさんのハンバーガーが調理できるのだ。

 その数年後、社会人として経営コンサルタントとなり当時を振り返って考えると、次のようなことだとわかった。

 要はふたりとも忙しそうに見えて、実はドレス役の仕事に十秒程度のアイドルタイムがあるのだ。バンズをトースターに入れてからそれが焼き上がるまでのほんの十数秒の時間、たしかにバンズ役はぼーっとトースターをにらんでいる空き時間がある。その時間の隙間を新しいミートを焼き始める時間に転用することによって、ハンバーガーの調理効率を上げられる事実を本社の正社員が発見したということなのだ。

 そのように無駄な空き時間の隙間をどんどん埋めていくことで企業の生産性向上を追求していくことこそが、経済全体が成長していくためにとても重要な要素だということも、経営コンサルタントになってすぐに筆者が教わったことだ。

 企業にとってみれば人件費というのは非常に大きな資本の投下項目になる。ゆえに同じ人件費投資でいかに昨年よりも生産性を上げることができるのかということが、資本主義経済下では非常に重要な要素になる。だから、私たちの時間はこれまでもどんどん細切れになってきたのだし、今後もその細切れ化の動きに歯止めがかかる可能性は小さいということなのだ。

アテンション

 さて、当然のことながら、このように細切れ化した時間の使い方のデメリットを訴える方も多いだろう。特に筆者のようにクリエイティブにものを考える業務の比率が多い場合は、自分の時間が細切れになることで、仕事の生産性が逆に壊滅的な状況になるという場合も少なくない。

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