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「ココロに効く(かもしれない)本読みガイド」山本一郎・中川淳一郎・漆原直行

障害者を求め続ける24時間テレビが超高視聴率、を気持ち悪いと思うことが許されない社会

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 これ以上の例を挙げても仕方ないのだが、上記9項目のうち、6個以上が当てはまる方にとっては、本書はしっくりくることだろう。それは同時に、あなたが世間様から見た場合に「ひねくれ者」であることを認めなくてはいけないことも意味する。私はすべて当てはまっている。これについては「オレって正直者」としか自分では思わないのだが、世間からは「身も蓋もない人」「空気を読まない人」「それを言っちゃおしめぇよ。協調性のない人」「ズレた人」と解釈され、疎まれる。

 こうしたスタンスで生きている人は、メディア全般における週刊誌的な立ち位置なのである。テレビ・全国紙の場合、バーベキューについては「仲間と楽しくワイワイ」「最近は準備代行業者がいてこんなに便利」「バーベキューの達人男性に100倍楽しむコツを聞いた」という文脈でしか描くことはできない。

「バーベキューは正直暑いし面倒くさいし、肉はマズいし、砂埃がすげー、うぜぇ、なんだったら素直に焼き肉屋行こうぜオラ、その方がビールも冷たいしいいわぃ、と思う」は週刊誌でしか書くことはできない。テレビ・全国紙の場合はクレームが来るからである。

「私はバーベキューが大好きなのに、なんでこんな捉え方をするんですか!」「私はバーベキューのグッズを売っています。営業妨害です!」「今週末、バーベキューに行くのに気分が落ち込んだじゃないか! 謝罪と賠償を要求する!」みたいな話になる。

 週刊誌のコラムや記事を読むと、まぁ、そこにはのほほんとした世界はほとんどない。それでもクレームが来ないのは、週刊誌の読者というものは「のほほんなんていらねぇよ。別に傷つかねぇよ」としか思わないわけで、そういった人々のコミューンのようなものである。本書も同様のコミューン的性格を帯びた本である。

『24時間テレビ』と『NHKのど自慢』の人気に異議を呈するとひねくれ者

 結局こうした「正直者の感覚」は、世間では調和を乱す厄介者でしかない。仮にそう思ったとしても「口に出しちゃマズいだろ」ということになる。これこそが世間様のスタンダードであるがゆえに、『24時間テレビ』のマラソンが41.9%の視聴率を記録し、ダサい『NHKのど自慢』に喜々として出演する老若男女が、21世紀も16年目だというのにいまだにうじゃうじゃ存在しているのである。なーにが「ひろし先輩、ファイトで歌おう! 後輩一同」だっつーの。その横断幕つくるのがお前らの人生のハイライトかよ、お前よくも全国にツラ出してそのヘタクソな歌を晒せるよな、なんて思うのである。まぁ、こんな感想を述べると「誰にも迷惑はかけていません!」「なんで人の楽しみにケチつけるのですか!」となる。そりゃそうだわ、オレは確かにひねくれてる。

 本書のアプローチは、著者と編集者が気になるというか、違和感を覚えるというか、「このクソ言葉が、ボケ!」と思うものを決定し、それを題材に一つの章を完成させる形式を取っている。世間がごく普通に「紋切型」で述べることや世間が礼賛する言葉・現象に対して、「違和感あるよなぁ……」と意見を表明した内容だ。「あなたにとって、演じるとは? ~『情熱大陸』化する日本~」「禿同。良記事 ~検索予測なんて超えられる~」「うちの会社としては ~なぜ一度社に持ち帰るのか~」「逆にこちらが励まされました ~批評を遠ざける『仲良しこよし』~」など合計20の言葉を取り扱っている。

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