
【リアルサウンドより】
ミニアルバム『スター誕生』でメジャーデビューしたトリプルボーカルの5人組バンド、ザ・チャレンジ。彼らは「アイドルブーム以降の時代」に正しく対応したロックバンドである。エンタメ精神たっぷりのパフォーマンス、思わず二度見するルックス、そして何より人懐っこくポップな楽曲。それが、バンドの痛快な魅力に繋がっている。楽曲には過去のロックや歌謡曲へのオマージュも詰め込まれていて、メタ的な楽しみ方もできるんだけど、実はストレートに熱いことを歌っていたりもする。そういう意味でも正しくアイドルを体現している。
ーーというようなことを音楽雑誌『MUSICA』のレビューに書いたら、それを読んだリーダーの沢田チャレンジから「ぜひ話がしたい」と連絡が来た。リアルサウンドでインタビューをしたいという話だ。せっかくなので、デビュー作の内容だけでなく、今のロックシーンとアイドルシーンについて、時代の変化と音楽のあり方について、たっぷりと語り合った。(柴那典)
・「わかりやすく他のバンドと違うことがやりたい」
ーーまず、ザ・チャレンジはメジャーデビュー作の一曲目で「僕はアイドル」と言い切っていますよね。それはどういうところから出てきたアイディアなんでしょう。
沢田チャレンジ:それは、他のロックバンドがやらないようなことをやりたいというのが大きいですね。僕らはインディーズの頃から、メジャーデビューという目標をかなり具体的に提示してきたんです。2枚目のミニアルバム『みんなのチャレンジ』の「メジャーデビュー」という曲で「ソニー、ビクター、EMI、メジャーデビューさせてくれよ」って歌うくらいで。で、そんなバンドがメジャーデビューするタイミングで「僕はアイドル」と言うのが面白いんじゃないかと思った。わかりやすく他のバンドと違うことがやりたい、というのが根本にありますね。
――他のバンドがやらないようなことをやりたい、というのは?
沢田チャレンジ:やっぱりそうじゃないとザ・チャレンジをやってる意味がないと思ったんです。ただ格好いいバンドなんて他にもたくさんいるから。あと、僕らはメンバーそれぞれ過去にバンドをやっていたこともあるので、2周目で前と同じことをやっても仕方ないし。そういう意味で、普通のバンドとは違うぞという宣言をしたという感じです。