「Thinkstock」より
ネットやスマートフォン(スマホ)の普及により、児童が被害者となる犯罪は安易に発生するようになった。興味本位の児童・生徒たちが、出会い系サイトやアプリなどをカタリスト(触媒)として知り合う大人は、安全な人たちだけではない。剣呑な大人もたくさんいるのだ。
警察庁がこのほど発表した「平成26(2014)年中の出会い系サイトおよびコミュニティサイトに起因する事犯」によると、出会い系サイトに起因する犯罪の被害児童は152人と前年より7人減少した。近年で最も被害児童が多かった11年の282人と比較すると100人以上も減少している。
これは、08年に出会い系サイト規制法の法改正を行い、届け出制を導入して事業者の実態把握が促進されたことや、事業者の被害防止措置が義務化されたことなどの成果が表れてきたものといえる。
出会い系サイトの事業者届け出数は、14年は事業者1372(うち法人1193、個人179)で、届け出サイト数は2580(うち法人2281、個人299)となっている。152人の被害児童のうち、最も多かった犯罪は児童買春・児童ポルノ法違反で84人だった。内訳は児童買春が74人、児童ポルノが10人となっている。
コミュニティサイトで低年齢層の被害拡大
一方、コミュニティサイトに起因する犯罪の被害児童は1421人と、前年より128人増加している。これは、13年以降、無料通話アプリのIDを交換する掲示板に起因する犯罪被害などが増加しているためだ。
1421人の被害児童のうち、最も多かった犯罪は青少年保護育成条例違反で711人、次いで児童買春・児童ポルノ法違反の618人だった。内訳は児童買春が260人、児童ポルノが358人となっている。
コミュニティサイトへのアクセス手段としては、携帯電話が89.8%を占めており、そのうちスマホが87.6%となっている。スマホが児童に普及したことが犯罪に巻き込まれる原因になった姿が浮き彫りになっている。