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南清貴「すぐにできる、正しい食、間違った食」

そもそも料理に砂糖など使ってはいけない!病気の危機呼ぶ ウソだらけの料理研究家

文=南清貴/フードプロデューサー、一般社団法人日本オーガニックレストラン協会代表理事

機械的につくられる「うまみ」

 私は、自身が行う料理教室で、よく「うまみ」の限界線という話をします。出汁をとって、そこに塩を加えていきます。もちろん化学調味料は一切使いません。あるところまでくると、塩味がしてきて「うまみ」を感じます。そこが「うまみの限界線の下限」です。そこからさらに塩を加え続けると、もうこれ以上加えたら味が壊れる、しょっぱくなりすぎてうまみを感じなくなる、というところがきます。そこが「うま味の限界線の上限」です。

 そこにさらに塩を加えて、限界を超えたところに砂糖を加えるのです。すると塩味は抑えられ、うまみを感じるようになります。さらに砂糖を加えるとうまみが増したように感じられるのです。そして塩の量は変わっていないのに、塩味を感じなくなるのです。そこに、今度はあえて塩を加えてみます。すると不思議なことに、砂糖の甘みが少し減ります。そしてさらに砂糖を加えると、塩味を感じなくなり、うまみが増したように感じるのです。

 実は、このようにして工業製品的加工食品の味は調整されます。コストのかからない塩と砂糖を使って「バランス」をとり、うまいと思われる一点を探していくのです。その一点も今では化学的に分析されています。結局、工業製品的加工食品には多くの塩と砂糖が入り、それを食べる人は思わぬほどの量の塩分と糖分を摂ることになってしまいます。もっと複雑な味を作っていく場合には、そこに油分を加えていきます。

「それでも、うまいと感じるならいい」という寛大な人は、その工業製品的加工食品を食べ続ければいいと思います。ファストフードやファミリーレストランなどの食事も工業製品的加工食品ですから、同じような方法で味の調整をしています。

砂糖は害をもたらす

 そもそも、食事に砂糖を使ってはいけないのです。私たちの体は、食べたものを消化・分解して栄養素を吸収します。砂糖は精製度が高いので、ほとんど分解の必要もなく、一気に吸収されて血糖値を急激に上げます。これがどれほど体に負担をかけているかは、4月3日付本連載記事『命を蝕む砂糖、がんや糖尿病の原因に…栄養素なく高カロリー、コカインと同様の依存性』などで説明しているためここでは割愛しますが、血糖値の急上昇が引き起こす一連の反応は体にダメージを与え、病気という危機を呼び込んでいるのです。

 テレビに出演している自称・料理研究家たちは、こぞって調味料として砂糖を使います。それも“大量に”です。繰り返しますが、そもそも料理に砂糖など使うべきではなく、使う必要もありません。いっぱしのレストランなどを構えている料理人まで、テレビの料理番組で調味料として砂糖を使っているのを見ると、暗澹たる気持ちになってしまいます。

 せめて縁あってこの一文をお読みくださっている方々には、砂糖の害を知ったうえで、可能な限りそれを避けて賢明な食生活を送っていただきたいと思います。
(文=南清貴/フードプロデューサー、一般社団法人日本オーガニックレストラン協会代表理事)

南清貴

南清貴

フードプロデューサー、一般社団法人日本オーガニックレストラン協会
代表理事。舞台演出の勉強の一環として整体を学んだことをきっかけに、体と食の関係の重要さに気づき、栄養学を徹底的に学ぶ。1995年、渋谷区代々木上原にオーガニックレストランの草分け「キヨズキッチン」を開業。2005年より「ナチュラルエイジング」というキーワードを打ち立て、全国のレストラン、カフェ、デリカテッセンなどの業態開発、企業内社員食堂や、クリニック、ホテル、スパなどのフードメニュー開発、講演活動などに力を注ぐ。最新の栄養学を料理の中心に据え、自然食やマクロビオティックとは一線を画した新しいタイプの創作料理を考案・提供し、業界やマスコミからも注目を浴びる。親しみある人柄に、著名人やモデル、医師、経営者などのファンも多い。

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