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“天下分け目”の自販機争奪戦!サントリー、衝撃的ウルトラCで制す!

文=福井晋/フリーライター
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イオンや投資ファンドも参戦したJB自販機争奪戦

 4月17日。業界関係者の多くが、朝から落ち着かなかった。JTの飲料自販機事業売却応札締め切り日が、この日だったからだ。業界関係者によると、当日までに応札、“関ヶ原”に駒を進めたのはサントリーのほかに日本コカ、アサヒグループホールディングス、キリンホールディングス、ダイドードリンコ、流通大手のイオン、それに投資ファンド2社の8社に上ったという。

 売却の目玉のJBは、かねてから清涼飲料業界再編の本命と目されてきた自販機ベンダー。どこが買収しても業界の勢力関係は確実に変わる。いずれも引くに引けない思惑を抱えていた。

 例えば、サントリーの場合は前述の通り、日本コカ追撃態勢が整う。これは自販機シェアのみの皮算用ではない。サントリーは「スーパー、コンビニなど店売りチャネルの個社ベースでは、すでに日本コカの販売数量を上回っているチェーンがいくつもあり、国内清涼飲料市場の首位奪取のために、JB買収は不可欠のピース」(証券アナリスト)になっている。

 アサヒグループホールディングスの場合、清涼飲料市場では目下3位のポジション。ところが2位のサントリーとは約15ポイントの開き(14年度推定)があり、3位以下はドングリの背比べ状態。いつ4位、5位に転落してもおかしくない状況に置かれている。このため、JB買収で、まずは「不動の3位」を固めるのが急務になっている。

 キリンホールディングスの場合は、「子会社のキリンビバレッジが目標に掲げる3位奪還は、今や誰が見ても夢物語。このままではジリ貧になるばかり。一発逆転のチャンスをつかむためにも、JBはのどから手が出るほど欲しい」(キリン関係者)のが同社の現状。

 一方、イオンが飲料業界に闖入するように関ヶ原に駒を進めた理由は「無店舗販売チャネル獲得が目的。同社はかねてから、自販機でトップバリュなどのPB(自主企画)商品拡販のチャンスを狙っていた」と、流通業界関係者は言う。そこへJBの話が舞い込んだので、急遽参戦を決めた模様だ。

 こうした業界内外のさまざまな参戦者の思惑を秘め、天下分け目の戦いの火ぶたが切られた。最終的にサントリーが戦いを制した要因は、他社が予想もしなかった買収額提示だった。

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