フジテレビ本社(「Thinkstock」より)
その一方、今回の総選挙を生中継したフジテレビ番組に対し、早くも一部インターネット上では「CMが多すぎ」「スピーチ遮るな」という批判が数多く寄せられ、ファンからも「感動のシーンをぶち壊し」「不謹慎だ」などという声が上がっている。テレビ局関係者が語る。
「特に下位順位発表の前半19時台は、数分単位でCMが入り、視聴者の感覚では全体時間の半分くらいCMを見させられている印象でした。最も盛り上がる後半の上位発表の時間帯でできるだけCMを挟まないためだったのでしょうが、その肝心の上位メンバーのスピーチ途中でもお構いなしにCMが入っていました。テレビ局の人間からみても、ちょっとヒドいですね。これではファンから批判が出ても仕方ないでしょう」
実際に30代のAKBファンは、次のように不満を漏らす。
「5位の松井珠理奈がフラフラになって悔し涙を流しながらスピーチするシーンで、突然CMが入ったのには驚きでした。さらに6位の山本彩のスピーチでは、途中でCMが入り中継に戻った途端、司会の徳光和夫に強引にスピーチを終了させられ、またその直後にCM入り。なんでこんなにヒドいことになってしまったのか」
スピーチ途中の“笑い声”
さらに波紋を呼んでいるのは、メンバーの真剣なスピーチの途中で紛れ込んだ“笑い声”だ。別のテレビ局関係者はこう指摘する。
「今年卒業予定の高橋みなみが号泣しながらスピーチするシーンで、何度も“あはは”という男性の笑い声が流れたのには驚きでした。まだ無名だったAKB設立当初からリーダー的存在として常にグループを引っ張ってきた高橋が、これまで抱いてきた複雑な心境を吐露し、テレビ画面右上のワイプでは“盟友”の小嶋陽菜が涙を堪えて真剣な表情でそれに見入るという感動的な場面でも、笑い声が流れていました。その時、スタジオ出演のタレントたちの表情は一様に真剣で、その笑い声の音質から番組スタッフによるものだと思われますが、緊張感を欠いている証といえます。仮に出演タレントの笑い声をマイクが拾ったものだったとしても、あの場面で流れるなどあってはいけないことです。テレビ局的には広い意味で放送事故といってもおかしくありません」