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トヨタ、比類なき“学習意欲” 「尖ったマツダならではのモノ」を吸収し弱み克服

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 このように考えると、この提携で大きな利益を得るのは、むしろトヨタのほうではないだろうか。フォードと提携以降、そしてその解消後も、ブランドコンセプトの明確化、デザインなどのソフト面と、エンジン、ボディ、シャーシーという車の基本中の基本といえるハード面で、「マツダならではのモノ」を構築してきた。

もう一つの、マツダならではのハード技術


 さらにトヨタがメリットを受けるのは、開発生産方式のアイデアの学習である。

 実はマツダはマツダならではのモジュール生産方式を、2006年以来追求している。標準モジュールであるコモン・アーキテクチャーを中心に、多様な車種を「群として」、つまりアクセラ、アテンザ、CX-5などの多様な車種を「一括企画する」開発方式である。

 全車種搭載を前提にした標準モジュールをまず開発し、これを個別車種に展開していくという考え方である。これにより開発が効率化するだけでなく、生産も、販売後のサービスも効率化が可能である。

 この方式は、車種の多いトヨタでは採用できないとの声ももちろんある。またトヨタが追求しているTNGA(トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー)と呼ぶ、新たな開発生産方式とはかなり異なるアプローチである。しかし、これを学ぶことはトヨタのTNGAの確立に大きなメリットがあると、筆者は注目している。

おわりに


 前述のとおり、今回の提携をスポーツカー好きの豊田社長の思い付きのように言う声があるが、まったく間違っている。トヨタという会社は、本質を見る力のある会社である。自社の弱みを明確に意識しており、それをいかに克服するかを考えて行動している。今回の提携もそのような行動の一環であることを再度強調したい。
(文=井上隆一郎/東京都市大学都市生活学部教授)
 

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