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江川紹子の「事件ウオッチ」第30回

「安保関連法案は違憲!」と全参考人に批判されても憲法を軽んじ続ける安倍政権の愚

文=江川紹子/ジャーナリスト
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「法の支配が、大小に関係なく、国家の尊厳を守る」(4月、バンドン会議で)
「太平洋から、インド洋にかけての広い海を、自由で、法の支配が貫徹する平和の海にしなければなりません」(5月、米議会の演説で)
「各国と連携し、法の支配の実現に向け、ともに努力をしたい」(6月、アキノ・フィリピン大統領との会談で)

 「法の支配」とは、先ほどの教科書によれば、「支配者といえども法には従わなければならないという意味」である。高支持率が続く安倍首相といえども、法には従わなければならない。立憲主義の憲法を持つ我が国では、為政者は憲法の枠の中でのみ権限を行使するのであって、為政者が勝手にその枠組みを変えてはならない。

 「法の支配」と「立憲主義」の概念は、ほぼ重なる。安倍政権は、外に向かって盛んに「法の支配」を語る前に、自国の憲法学者から、こぞって「立憲主義にもとる」と批判されていることを、もっと謙虚に受け止めるべきだろう。

<憲法第99条 天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ>

(文=江川紹子/ジャーナリスト)

江川紹子/ジャーナリスト

江川紹子/ジャーナリスト

東京都出身。神奈川新聞社会部記者を経て、フリーランスに。著書に『魂の虜囚 オウム事件はなぜ起きたか』『人を助ける仕事』『勇気ってなんだろう』ほか。『「歴史認識」とは何か - 対立の構図を超えて』(著者・大沼保昭)では聞き手を務めている。クラシック音楽への造詣も深い。


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