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「ココロに効く(かもしれない)本読みガイド」山本一郎・中川淳一郎・漆原直行

『絶歌』と版元の太田出版は、ただの外道である いまだに悲劇の主人公ぶる幼稚な酒鬼薔薇

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「創刊おめでとうございます。でも、『完全自殺マニュアル』、オレの婚約者、あれを参考にして自殺したんですよね。なんか複雑な気持ちッスよ、今日」

 すると落合氏は「あぁ、まぁ……、そうですよね、あぁ……」と言い、どこかへ行った。以後、オレと顔を合わせることもなければ、喋ることもなかった。

 恐らく、この手のツッコミは相当経験しているのであろう。「はいはい、またこの文句ね。もう、飽きたのよ。私だって仕事でやってるんだし、批判に対してだってマジで向き合ってるんだからさ……」と思っているのだろう。売れる書籍を世に送り出す編集者としては実に優秀で、見習うべき「あっぱれ」なスタンスである。『絶歌』も同様に「はいはい、この本に対する批判は想定の範囲内よ。あぁ、わかってるわ、私は」と思っているのかもしれない。あの時のオレに対する態度を見ると、まぁそこまで肝の据わった敏腕編集者であることは充分理解してる。

「自殺する自由はある」
「苦しい時の選択肢として、自殺もあっていいのでは」
「命の大切さを伝えたい」

 こういった大義名分は『完全自殺マニュアル』発刊にあたってはあったのだろう。

絶歌』出版の社会的意義

 で、今回も太田出版と落合氏は酒鬼薔薇の書籍の意義については散々説明している。そこには当事者の感情はさておき「社会全体を考えると意義がある」ということにいきつく。
 
 まぁ、構わん。それが見解なのであればいいし、ガンガン『絶歌』を売ってくれ。感動した人もいたらしいな。素晴らしい作品だわ。どんどんがんばってくれ、太田出版と落合美砂氏。

 今回「酒鬼薔薇が更生しているのであればまぁ、意義はあったのでは」という擁護論も出てきたが、酒鬼薔薇は結局何もわかってねぇな、と思うくだりがあった。十代の少年から「どうして人を殺してはいけないのですか?」と聞かれた場合、今の彼ならこう答えるという部分である。

『「どうしていけないのかは、わかりません。でも絶対に、絶対にしないでください。もしやったら、あなたが想像しているよりもずっと、あなた自身が苦しむことになるから」』(註:原文では「あなた自身が」の部分に傍点あり)

 そしてこう続く。

「哲学的な捻りもない、こんな平易な言葉で、その少年を納得させられるとは到底思えない。でも、これが少年院を出て以来十一年間、重い十字架を引き摺りながらのたうちまわって生き、やっと見つけた唯一の、僕の『答え』だった」

 あぁ、何もわかっていない……。どうしてこうも自分本位なのか。「あなた自身が苦しむから殺人はいけない」と言い、まるで自分が悲劇の主人公かのように「重い十字架」というエセ文学的表現を使う。人を殺してはいけない理由は、これである。

「誰もが他人の人権を蹂躙することはできないから」
「殺された人に近しい人が悲しむから」

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