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中沢光昭「路地裏の経営雑学」

停滞する大企業はここがダメ!ハズレの中途採用社員を放置、ムダなコンサル会社に億単位払う…

文=中沢光昭/経営コンサルタント
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 よって、起用するコンサルティング会社は、担当コンサルタントの力量よりも、誰もが認める看板かどうかのほうが重要になってくるため、必然的に単価は高くなります。それでも幹部や社員は自分の懐が痛むわけでもないので、「コンサルティング会社への報酬をケチって、安かろう悪かろうになってしまうことは避けるべきです」と主張して、有名どころを起用する方向で進めます。

 コンサルティング会社のほうもそうした背景をわかっていますので、あんまり大胆な提案なり分析はしません。今までの経営方針を否定するようなことは「天にツバする」行為になってしまうからです。基本的に今の方針を肯定しつつ「でもここに一部改善の余地があるかも」という具合にほどよく場を収めることが、次のリピート受注にもつながるからです。あるいは「リストラが必要です」という提案によって汚れ役を引き受け、経営陣に恩を売るようなかたちにします。

 そうして、名のあるコンサルティング会社には億単位でも発注する一方で、名のあるコンサルティング会社から独立して個人で活動する安くて有能なコンサルタントがいたとしても、発注しません。結果をどう出すかどうかは、第一の優先順位・判断基準にならないからです。

 以上、立派でもどこか停滞した大企業に共通してみられる現象を解説しましたが、次回はそこから垣間見えるカルチャーや社員の感情についてみていきたいと思います。
(文=中沢光昭/経営コンサルタント)

中沢光昭/株式会社リヴァイタライゼーション代表

中沢光昭/株式会社リヴァイタライゼーション代表

企業再生コンサルタント兼プロ経営者。
東京大学大学院工学研究科を修了後、経営コンサルティング会社、投資ファンドで落下傘経営者としての企業再生に従事したのち、上場企業子会社代表を経て独立。雇われ経営者としてのべ15期以上全うし、業績を悪化させたのは1期のみ。
事業承継問題を抱えた事業会社を譲受け保有しつつ、企業再生とM&Aをメインとしたコンサルティングおよび課題内容・必要に応じて半常勤による直接運営・雇われ経営者も行う。シードステージのベンチャー企業への出資も行う。
株式会社リヴァイタライゼーション 代表・中沢光昭のプロフィール

Twitter:@mitsu_nakazawa

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