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大崎孝徳「なにが正しいのやら?」

丸亀製麺、スゴイ期待感の新カフェがイマイチ感満載のワケ 多角化事業の難点と課題

文=大崎孝徳/名城大学経営学部教授
丸亀製麺、スゴイ期待感の新カフェがイマイチ感満載のワケ 多角化事業の難点と課題の画像1「Thinkstock」より

 クローバーといえば、芸能界ではももいろクローバーZを思い浮かべる人も多いと思いますが、今後、カフェ業界にもクローバー旋風が吹き荒れるかもしれません。クローバー珈琲焙煎所をご存じでしょうか。あの丸亀製麺を運営するトリドールが手掛けるカフェです。現在、高松に一店舗のみですが、順次全国に展開予定とのことです。

トリドールの多角化事業

 この事例は、うどん店を本業とするトリドールの多角化事業です。多角化の代表的な事例といえば、ミシンメーカーであった豊田自動織機の自動車事業(のちのトヨタ自動車)、花札やトランプのメーカーであった任天堂のゲーム事業など、数多く思い浮かびます。多角化事業のメリットとしては、経営資源の有効活用、変わりゆく環境への対応などが挙げられます。

 ミシンと自動車はもちろん異なる商品ですが、工業製品という共通点があり、ミシンの製造にかかわる多くのノウハウが自動車の製造にも生かされています。また、トランプとゲーム機もまったく異なる商品ですが、おもちゃを扱う企業風土、おもちゃ店への流通網などは有効に活用できたはずです。変わりゆく環境への対応に関しても、ミシンやトランプに固執したままであったならば、現在のトヨタや任天堂がなかったことは明白です。

 こうしたセオリーを参考にすると、うどんとコーヒーでは商品は異なるものの、飲食店のノウハウは有効活用できます。また、うどん事業において、いつ強敵が現れるかわかりませんし、うどんという食文化自体が廃れるなどのリスク回避の面からも、カフェ事業への進出は正しいように思えます。

丸亀製麺、スゴイ期待感の新カフェがイマイチ感満載のワケ 多角化事業の難点と課題の画像2『「高く売る」戦略』(大崎孝徳/同文舘出版)

インターネットでの事前チェック

 たまたま出張で高松に行くことになり、丸亀製麺によくお世話になっている筆者としては、親近感もあるため、クローバー珈琲焙煎所を訪れることにしました。もともとカフェ好きでもあり、喜び勇んでの訪問となりました。

大﨑孝徳/香川大学大学院地域マネジメント研究科(ビジネススクール)教授

大﨑孝徳/香川大学大学院地域マネジメント研究科(ビジネススクール)教授

香川大学大学院地域マネジメント研究科(ビジネススクール)教授。1968年、大阪市生まれ。民間企業等勤務後、長崎総合科学大学・助教授、名城大学・教授、神奈川大学・教授、ワシントン大学・客員研究員、デラサール大学・特任教授などを経て現職。九州大学大学院経済学府博士後期課程修了、博士(経済学)。著書に、『プレミアムの法則』『「高く売る」戦略』(以上、同文舘出版)、『ITマーケティング戦略』『日本の携帯電話端末と国際市場』(以上、創成社)、『「高く売る」ためのマーケティングの教科書』『すごい差別化戦略』(以上、日本実業出版社)などがある。

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