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損失430億、“丸紅ショック”の元凶 上場企業各社にも巨額損失与えた「あるもの」

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IFRS適用の総合商社は、軒並み巨額の減損損失を計上


 IFRSは、企業の業績にどんな影響を与えるのだろうか。まず、IFRSの導入により、企業価値の算定が根本から変わってしまう。

 総合商社の15年3月期の連結決算がモデルケースになる。原油や鉄鉱石などの資源価格の下落を受けて、全社が多額の減損損失を計上した。減損とは、損失を計上して対象資産の価値を落とすことをいう。

 減損の兆候がある場合、日本基準とIFRSでは、その見方が大きく異なる。日本基準は2段階で判定し、必要がある場合に減損を実施する。一方、IFRSは資産の価値を測定し、簿価と比較して判定する。IFRSは日本基準より早いタイミングで減損を計上することが多い。

 三菱商事はシェールガスや液化天然ガス(LNG)の資源価格の下落を受けて、950億円の減損損失を計上した。三井物産は790億円、伊藤忠商事は940億円、住友商事は3103億円の減損損失を、それぞれ計上している。

 丸紅は石炭や銅の海外権益で1320億円の減損処理による損失が発生したが、M&Aによる「のれん代」の減損が、ほかの商社には見られないものだった。

 企業を買収する際に支払った金額と、買収先企業の純資産の差額が、のれん代である。日本基準では20年以内に毎期償却する必要があるが、IFRSは償却の必要はない。その代わり、大幅な価値下落時には減損処理をしなければならない。

 丸紅は、買収した米穀物取引大手、ガビロンの減損を計上し、純利益に対するマイナスの影響額は430億円に上った。ガビロンの減損は想定されていなかったため、株式市場では“丸紅ショック”と呼ばれた。

 IFRSの時価主義は、会計処理上は実態に即した評価が可能になるというメリットがある。三菱商事は、減損を計上したローソン株の株価上昇に伴う戻し入れ益で全体の利益が底上げされた。

 IFRSの導入は、企業に何をもたらすのだろうか。とにかく、会計処理だけで、企業の業績はジェットコースターのように急上昇と急降下を繰り返すことになる。
(文=編集部)

【各業種の時価総額の上位企業でIFRS導入が目立つ】

※以下、社名、時価総額(単位、兆円)

商社
1位 三菱商事 4.4
2位 三井物産 3.0
3位 伊藤忠商事 2.6
4位 住友商事 1.8
5位 丸紅 1.2

医薬品
1位 武田薬品工業 4.7
2位 アステラス製薬 4.0
3位 エーザイ 2.3
4位 中外製薬 2.1
5位 大塚HD 2.1

食品
1位 日本たばこ産業(JT) 9.0
2位 アサヒグループHD 1.9
4位 キリンHD 1.5
5位 味の素 1.5

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