安倍首相のゴルフ仲間は経団連の面々

 12年12月、民主党から自民党に政権が交代すると、長谷川氏が率いる同友会は素早く自民党に乗り換えた。安倍政権は13年1月23日に発足させた産業競争力会議の民間委員に長谷川氏を起用した。

 安倍政権が長谷川氏を遇したのは、経団連が米倉会長の“オウンゴール”によって失点したのが大きい。米倉会長は政権交代前に、安倍氏の経済政策・アベノミクスを「無鉄砲」と批判したために嫌われ、経済財政諮問会議など民間議員の選定で、米倉氏が率いる経団連は蚊帳の外に置かれた。

 14年6月3日、経団連会長が米倉氏から東レの榊原定征会長(当時)に交代し、経団連と官邸のパイプがやっとつながった。それが今や、安倍首相のゴルフ仲間は、経団連の御手洗冨士夫名誉会長、榊原会長など経団連のお歴々だ。

長谷川氏が提案した「残業代ゼロ」制度

 政府の労働者派遣法改正案が、5月12日の衆議院本会議で審議入りした。今国会で成立を目指す労働基準法改正案と共に、安倍首相が進める労働改革の柱となる。

 労働基準法改正案は、安倍首相が掲げる「岩盤規制」の改革のひとつだ。長谷川氏は、産業競争力会議の雇用・人材分科会主査として、14年4月22日に、いわゆる「残業代ゼロ制度」を提言した。

 会社が従業員を1日8時間を超えて働かせたり、深夜や休日に出勤させると、割増賃金を払う義務がある。長谷川氏が提案したのは、時間ではなく仕事の成果にお金を払う働き方だ。

 長谷川提案は、年収1000万円以上の専門知識などを持つ人に加え、労使が合意すれば年収の低い一般社員も対象となる。

 民主党は、これを「残業代ゼロ法案」と名付けて反対した。日本労働組合総連合会(連合)も、「長時間労働を助長しかねない」と猛反発している。労働者派遣法改正案は、6月19日午後の衆院本会議で自民党、公明党、次世代の党の賛成多数で可決された。

 改正案に反対している野党は「一生派遣の人が増える」と批判しており、「キャリアアップをしようとしても、年を取れば辞めさせられる。雇用の安定には役立たない」との声が強い。与党は今国会の会期を大幅に延長し、改正案を成立させる方針だ。改正案の施行は9月を予定している。

RANKING
  • 企業・業界
  • ビジネス
  • 総合