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マック元社長に潰されかけたリンガーハット、批判&反対殺到の戦略断行で鮮やかな復活

文=福井晋/フリーライター
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 国産野菜100%のちゃんぽん全店発売から1カ月たった09年11月になると明らかに客足が増え、12月には1年9カ月ぶりに既存店売上高が前年同月比プラスに転じた。消費者は「中国産冷凍野菜の数十円の安さ」よりも「数十円高くても、おいしくて安全・安心な国産生鮮野菜」を選んだのだ。こうして経営危機から脱出し、消費者に支えられて経営を安定成長軌道に乗せた。

次なる課題

 とはいえ、課題はまだ多い。その典型が売上高営業利益率、すなわち粗利の低さだ。15年2月期のそれはわずか5.9%。同社と売り上げ規模が同等で業態も似ているハイデイ日高の同期11.8%と比べると、明らかに見劣りがする。リンガーハットも収益性重視の観点から「売上高経常利益率10%」をかねてから目標に掲げているが、こちらも同期5.8%にとどまっている。

 証券アナリストは「国産野菜100%採用という鮮やかな方向転換でブランド再生に成功した。今期からは、売上高営業利益率をどれだけ上昇させられたかが市場から厳しく問われるだろう」と指摘する。

 最大の危機を脱したリンガーハット、次は高収益企業への変身という挑戦に挑む。
(文=福井晋/フリーライター)

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