フジテレビ本社(「Thinkstock」より)
笹崎に限らず女子アナという存在はメディアや世間の注目を集めることも多いが、知名度の高さと仕事量が比例するとは限らない。実際、2000年代以降、平井理央、脊山麻理子、紺野あさ美などタレント経験のあるアナウンサーの入社が増えているが、全員が成功したとはいえない。テレビ局関係者は語る。
「女子アナほど、スタートダッシュが重視される職業はほかにないでしょう。普通の会社であれば、入社から数年はじっくり育てるという方針も珍しくないですが、女子アナは1年目からが勝負。以前であれば2~3年目から徐々に出演が増えていくというのが一般的でしたが、最近はスピードアップしていますね。とはいえ、チャンスは平等にありますよ。2〜3年目までは、誰でもそれなりの番組が与えられます。そこで、スタッフ側になんらかの可能性を感じさせたり訴えかけるものがあったりすれば、スター街道に乗れます。つまり、チャンスを生かすも殺すも自分次第。逆にいえば、最初に跳ねなければ、その後にブレイクする可能性は年々狭まっていきます。そのため、入社前に大学のミスコンに出るなど場慣れした即戦力を持つ人物が採用される傾向にあるのでしょう」
ダークホースの活躍
一方、意外なダークホースが活躍するケースも珍しくない。10年フジテレビ入社の2人は、ハッキリと明暗が分かれている。山崎夕貴は現在、『めざましテレビ』『ノンストップ』という帯番組を務めるなど局の顔ともいえるほどの人気アナになっているが、細貝沙羅は地上波での出演はほとんどなし。
女子アナ界では珍しい岡山大学出身の山崎に対し、細貝は学生時代にミス慶應ファイナリストやミス日本出場歴を持っており、入社前は期待されたアナウンサーだった。2人は、ともに1年目から早朝の『めざにゅ〜』を担当。チャンスは平等に与えられたが、細貝は2年目に番組を外れたが、山崎は看板番組『めざましテレビ』に移っている。勝負は1〜2年目で決着したといってもいい。
「話題の笹崎アナは、おそらく『シューイチ』か『メレンゲの気持ち』で使われるでしょう。『シューイチ』は一昨年の後藤晴菜、昨年の畑下由佳と新人を起用する番組。『メレンゲの気持ち』は、昨年の新人2人である岩本乃蒼と畑下を使っていました。今年も日テレの新人女子アナは2人ですから、同じような使い方をして競わせるのではないでしょうか。1年目でスタッフから『笹崎はイマイチだな』と思われてしまえば、その後挽回するのは厳しくなります。実際、岩本と畑下のあいだにはすでに差がついており、岩本は『とくダネ!』(フジテレビ系)と視聴率で民放トップ争いをしている看板番組『スッキリ!!』の担当だが、 畑下の目立つ番組は『シューイチ』くらい。1年目で、これだけ如実に差が開いてしまうのです。『シューイチ』にはおそらく新人が起用されるので、2年目の畑下は尻に火がついた状態です。もちろん、まだ挽回の余地はありますが」(同)
話題性抜群の笹崎アナは1年後、どのような評価を下されているのだろうか。
(文=編集部)