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歌舞伎町の巧妙すぎる風俗詐欺にハメられた!親身で感じの良いキャッチ、路上で前払い…

文=編集部
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歌舞伎町の巧妙すぎる風俗詐欺にハメられた!親身で感じの良いキャッチ、路上で前払い…の画像1「Thinkstock」より
 最近、新宿の歌舞伎町ぼったくりの被害が相次いでいる。

 インターネット上では、4月に匿名日記サービス「はてな匿名ダイアリー」に投稿された「新宿歌舞伎町で2人で20分呑んで260400円でした」が話題になった。投稿者は、客引きに「60分4000円のところを3000円」と説明されて飲食店に入り、従業員には「1万円で払える範囲で」と伝えていた。しかし、会計の伝票には「26万400円」と書かれており、結局支払わざるを得なかったという。

 これ以外にも、ネット上ではぼったくり被害が多数報告されており、先日、東京弁護士会が地元商店街と連携した相談窓口「ぼったくり被害110番」が歌舞伎町に開設された。また、最近は東京都ぼったくり防止条例違反の容疑で、歌舞伎町のキャバクラ店の摘発や従業員の逮捕も相次いでいる。

 後を絶たないぼったくりだが、歌舞伎町にはキャッチ(客引き)による詐欺も存在するようだ。「昨年の11月に被害に遭いました」というIT企業勤務の20代男性(Aさん)は、当時の状況について以下のように語る。

「上司、外部スタッフと一緒に居酒屋で飲んだ後、22時くらいのことです。『2軒目に行こうか』と3人で歩いていたら、美容師っぽい格好のさわやかなお兄さんが声をかけてきました。いわゆるキャッチなのですが、感じが良くて『なにか困ってないですか?』と礼儀正しかったので、思わずこちらも『どこかいいお店ある?』とノッてしまったのです。最初はキャバクラに行くつもりで、予算は『1万円しか出せない』と言っていたのですが、『もっといいところがありますよ』と本番ありの裏風俗を勧められました。『1人3万円くらい』という話だったのですが、交渉したら『仕方ないですね』と割引してくれたりして、『2万円で朝までOK』ということで落ち着きました。

 そして、これが巧妙なのですが、『僕にもノルマがあって、本当はお客さんを5人ぐらい紹介しないと、ペナルティで30万円払わないといけないんですよ』『でも、今日は特別です』『本当はダメなので、このことはお店には言わないでください』と弱みを見せてくるのです。さらに『お客さんたち、地方から来たことにしてもらえませんか? 遠くから来たから良くしてくれるように、お店にも言っておきますので』と、終始親身な対応をアピールしていました」

路上でボーイに前払い、着いた先はレンタルルーム

 その後、Aさんを含めた3人は、女性の写真を見るために脇道に入り、キャッチの後を5分ほど歩いた。すると、インカムをつけたボーイとおぼしき男性が、タブレット端末を持ってやって来たという。

「そこで、キャッチとボーイの交渉が始まります。今思うと芝居がかっていたのですが、わざと僕たちに聞こえるように、『なんとかしてあげてよ』『そこをなんとか』という感じで、キャッチが熱心に交渉してくれるのです。結局、1万5000円+ホテル代ということになりました。最終的にはボーイ側が折れた感じで、多少不機嫌になっていたのも、演技だったのだと思います。そして、タブレットで写真を見ると全員すごくかわいくて、3人とも即決しました。そこで、『もっとお金が取れるかも』と思ったのでしょう。追加で『あと1万円出せば、回数制限なしにしますよ』と言いだしたのです。結局、上司はそれにノッて2万5000円、僕らは1万5000円をその場でボーイに支払いました」(Aさん)

 その時点では、「あるとしても、パネマジ(写真が修整されており、実物と全然違うこと)くらいだと思った」というAさん。ボーイに携帯電話の番号を聞き、その場でかけ、目の前でつながったので安心もしていた。しかし、渡されたカードに書かれた地図を頼りにお店に行ってみると、そこはただのレンタルルームだったという。

「おかしいな、と思いました。しかも、その前には2~3人の男が電話しながら困った様子でうろついているのです。一応、中に入って事情を説明してみましたが、中国人の受付は『そんな話は聞いてない、知らない』『入るなら、料金を払って』の一点張りでした。返金交渉をしようと、ボーイに電話したら、『いや、そこに入ってください。ちゃんと女の子が行くので』と言われました。しかし、ここで入れば、さらにお金が飛んでいくだけです。電話で粘ると『わかりました、その先にコンビニがあるので、そこで待っていてください』と言うので、行ってみると、15人ぐらいの“被害者”と思われる男たちがウロウロしていて、『あ、自分たちと同じだ。これはやられた』と思いました」(同)

ボーイの電話が突然不通に……

 その場で呆然としていると、黒人男性のキャッチが近づき、Aさんに話しかけてきたという。

「最初は『俺の店に来いよ』みたいな感じだったのですが、事情を話すと『それ詐欺だよ、お兄さんたちやられたね』と笑われました。さらに、コンビニの前で所在なさげに立ち尽くす男たちを指して、『見てみな、いっぱい引っかかってるよ』と同情されました。その後、ボーイに電話しましたが、出ることはありませんでした」

 数十分の間に1万5000円をドブに捨てることになってしまったAさんは、この件で以下のような教訓を得たという。

「まず、路上でボーイにお金を払う時点でアウトです。普通はお店に入って受付で払うか、女の子に直接手渡します。前払いの時点でおかしいのです。以前は、ぼったくりのニュースで『まさか自分が被害に遭うとは思わなかった』というコメントを見ても『バカじゃないか』と思っていました。しかし、今は『まさか自分が……』という感じです。世の中に詐欺はあり、詐欺師もいる。それを、あらためて痛感させられた出来事でした」

 その後、3人は明朗会計の居酒屋に行き、朝まで“反省会”を続けたという。夜の歌舞伎町では、近づいてくるキャッチに不用意についていかないほうがよさそうだ。
(文=編集部)

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