「Thinkstock」より
昔から「うまいまずいも塩加減」と言われ、おいしい料理をつくるためには塩が重要な役割を果たしてきました。夏の暑い盛り、スイカに塩を振りかけて食べるおいしさは、何ものにも代えがたく、生き返ったような心地がします。では、その時に振りかける塩はなんでもいいのかというと、そうではありません。塩は単なる調味料にとどまらず、一つの食品として私たちの健康に深く関わっているのです。
一方、日本人はローマの人たちよりさらに優れた食べ方を考え出し、実践していました。それが「塩漬け」や「浅漬け」と呼んでいるものです。塩を振った野菜を漬け込み、保存して乳酸発酵を起こさせることで雑菌を排除して腐敗を防ぎ、なおかつその乳酸菌の働きで腸の状態を整えることも同時に行っていたわけです。これはサラダにも勝る発明品だといえます。
筆者は、料理は基本的に薄味に仕上げて、各人がテーブルに置いてある塩を好みに応じて使い、味を調整するのが望ましいと主張しています。なぜならば、塩の必要量は人によって異なり、また同じ人でも体調や季節によって、また直前の食事の内容によっても変わってくるものだからです。