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碓井広義「ひとことでは言えない」

バカリズム脚本のドラマが超面白いワケ 鋭い人間観察と苦笑いが生む絶妙なエピソード

文=碓井広義/上智大学文学部新聞学科教授
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 エキストラ扱いで、顔も映らない端役を務める現場。邦画を見るとみじめな気分になるからと、レンタルビデオ店で洋画ばかりを借りる日常。いきなり売れっ子になった新人女優への複雑な思い……。バカリズム脚本は、下積み女優にとっての“芸能界のリアル”を、苦笑い満載のエピソードで丁寧に描いていく。

 3人の女優がそれぞれの軌跡と個性を生かした物語だからこそ、本人たちが演じる「あり得た自分」が絶妙にからみ合う。その結果、実に後味のいいパラレルワールドが成立していた。

「バカリズム・ドラマ」の魅力は、ユーモアの中にある鋭い人間観察と、人に対する温かい眼差しだ。こうした単発ドラマもいいが、今後、バカリズムにはぜひ連続ドラマの新作を書いてほしい。

 なんといっても、脚本こそがドラマの核であり、設計図であり、その成否を決めるものだ。バカリズムという個性あふれる新たな書き手の登場を歓迎し、大いに期待したい。
(文=碓井広義/上智大学文学部新聞学科教授)

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