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つまり、同社がルンバで成功したのは、単なる幸運ではないということだ。アイロボット社は、自社の技術的な強みを生かした上で、その強みを必要とする対象顧客を絞り込み、顧客の課題をいかに解決してビジネスにつなげるか、いくつもの仮説を考え抜いて検証してきたのである。

つまり、テクノロジー企業であるアイロボット社が実践してきたのは、「モノづくり」ではなく「マーケティング」なのである。
我々が学ぶべきは「ルンバという製品」ではなく、「アイロボット社の考え方」だ。そして、その「アイロボット社の考え方」は、実は同社の専売特許ではない。オーソドックスなマーケティング思考で「顧客が買う理由」を仮説として考え、愚直に検証してきた結果だ。
考えてみれば、日本企業が持っているような優れた技術の蓄積は、一朝一夕に真似できるものではない。一方で、マーケティング思考は考え方を変えれば、身につけるのは難しくない。アイロボット社の成功は、「モノづくり」にこだわってきた日本企業に、「モノづくり思考」と「マーケティング思考」の両輪で考える大切さを教えてくれる。
(文=永井孝尚/ウォンツアンドバリュー永井代表)
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