ビジネスパーソン向け人気連載|ビジネスジャーナル/Business Journal
シンガポールのセブン-イレブンの店舗
2013年のマルハニチロの調査によると、約7割の人がコンビニに週1回以上行くといいます。筆者の場合、コーヒーを購入する以前は週2~3回ほどでしたが、訪問頻度が増えました。先日もフィリピンのセブ島に行った際、まず最初にホテルスタッフに聞いたのはコンビニの場所でした。
セルフおもてなし
そんなコンビニは1927年に米国で生まれたビジネスモデルであり、以下のポイントを原動力として成長した業態です。
(1)24時間365日営業(当初は7時から23時)
(2)ドミナント出店(エリアへの集中出店)
(3)ファストフード化
この米国のモデルを日本式に転換したのが、セブン-イレブンです。米国のノウハウに加え、POS(販売時点情報管理システム)による単品管理、おにぎりやおでんなどの日本式ファストフードの発売、天候や季節に応じた需要予測などを基に「いつも開いていて便利なコンビニ」として成長してきました。
また、小売り企業としてPOSを活用したメーカーとの共同商品開発により、現在のPB(プライベートブランド)「セブンプレミアム」の大ヒットにつながっています。今では当たり前のATM設置や公共料金の支払いなど新しいインフラを構築し、習慣化しやすいコンビニコーヒー「セブンカフェ」を全店に導入し、カフェと相性のいいドーナツも導入。「いつも開いていて便利」から「近くて便利」という顧客ニーズを満たしてきました。
顧客に自分でコーヒーを入れさせながらも高い満足度を提供する、いわば日本独自の「セルフおもてなし」を実現し、「お客様のためではなく、お客様の立場」でイノベーションを追究しています。便利さと日本人の買い物ニーズを捉えた日本独自の素晴らしいビジネスモデルを持つ業態です。