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荒木肇「あなたの習った歴史はもう古い!」

歴史教科書から「鎖国」が消されていた!「江戸時代=鎖国」はデタラメだった?

文=荒木肇/作家
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教科書から消えた「鎖国

 昭和時代の教科書では、ペリー来航事件について「幕府は、鎖国を理由にこれを断り、沿岸の防備をきびしくした」とされている。しかし、現在の教科書では「通信関係を持つ朝鮮・琉球、通商関係をもつオランダ・中国以外の国とは交渉をしないのが祖法(先祖以来の法)であるとして通商の要請を断った』と書かれており、鎖国という言葉は使われなくなった。

 なぜなら、鎖国という言葉は、オランダ通詞・志筑忠雄(しづき・ただお、1760~1806年)がケンペルの『日本誌』を1801年に翻訳したときにつくり出した用語であったからである。江戸時代の体制を表す言葉として「鎖国」が盛んに使われるようになったのは、幕末のペリー来航からだった。これが明治維新前後の混乱期に、開国か鎖国かという議論の流行現象の中で、まるで江戸時代初期の日本が鎖国をしていたかのように誤解されるようになった。

 余談だが、現在歴史学の用語は当時の人の実態になるべく沿って使用するようになっている。鎌倉時代の「元寇(げんこう)」も幕末の造語であるらしい。そのため、今の教科書では『モンゴルの襲来』と書かれるようになってきている。
(文=荒木肇/作家)

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