リコール連発で独り負けのホンダ、抱える深刻な問題 再生の切り札は英語公用語化?

ホンダ「フィットハイブリッド」(「Wikipedia」より/DY5W-sport)
 ホンダの英語公用語化が話題になっている。日本人同士の会議は対象にはならず、会議で非日本語圏出身の社員や関係者がいる場合に資料作成も含め英語で行うというもので、20年までを移行時期としている。

 日本で実質的に英語を公用語化している大手企業は日産自動車だが、これは仏ルノーとの資本関係によるもので自明のこと。ホンダは日本企業の中でも海外進出が早く、1980年代前半には米国でアコードの現地生産を開始し、現在も売り上げの8割以上が海外のため、当然社員の英語力も高い。

 実際のところ米国における生産・販売はほぼ100%現地社員主導で行われ、社内で日本語を聞くのは駐在員周辺のみ。プレゼンから会議まですべて英語ベースで、日本人社員は話を理解できようができまいが、その場にいるしかない。開発現場でも、現地ではすでに20年以上の歴史と実績があり、ほぼすべての領域で英語を使って事が進んでいる。

 よって、ホンダの英語公用語化の目的は、現地社員に日本側の考えを理解してもらうためだけではないようだ。

社員の英語力はトップレベル

 開発、生産、販売の現場の一般社員は、それまでの経験知のようなものを身につけているので、片言英語でも現物を手にして会話をすることができる。ところが、エンジニアでも管理職レベルになると、ある程度の語学力がないと海外では役に立たない。ホンダが困っているのは、海外で思うように仕事ができない日本人管理職が意外と多い点だろう。ホンダの管理職の英語力は、日本企業の中でもトップレベルなのは事実だ。しかし、グローバル化が急激に進み、海外での仕事の内容が複雑化する中で、平均的な語学力では対処できなくなってきたのだろう。

 ホンダには海外事業所も多く、本社、研究所、工場に勤務していれば、管理職になる前に相当数が海外勤務を経験することになる。ホンダという会社は、英語力がゼロでも平気で海外勤務をさせるところだ。3~5年ほどの駐在期間になるが、その間に現地の仕事を通して英語を覚え込んでいく。

 ソニーとホンダの社員を比較すると、企業の特色が見えてくる。ソニーには、帰国子女ではなく日本育ちでも驚異的な英語力があり、それに加えてビジネス的手腕にも秀でた社員が珍しくない。ホンダの場合は、そのような突出した社員は少ないが、現場で覚えた英語力で時間をかけながらコミュニケーションを図る社員が多い。確かに、最近は帰国子女もかなり入社しており、海外の職場では語学力は必要要件ではあるが、最後は専門領域での実力がモノをいう世界でもある。

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