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鷲尾香一「“鷲”の目で斬る」

国が“和装で出勤する”きものの日の導入検討?現代社会での障害を無視した愚策

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 例えば、現代社会は着物で日常を送るには不便な点が多い。これだけ洋式トイレが普及した中、着物でトイレを利用するだけでもかなり面倒だ。着物で用を足したことのある人の中には、袂がドアノブに引っかかる経験をした人も少なくないだろう。そもそも、前後に開くドアは着物には不向きなものなのだ。

 草履は土の上を歩くのに適したものであり、アスファルトの上を長時間歩くとかなり足が痛む。敷石文化の西洋では靴が普及したように、現代社会では靴のほうが楽だ。「きものの日」が正式に決まったとしても、坂本龍馬のように「和装に靴」という身なりのほうが合理的ということになる。

 こうした、着物着用の障害となる点がクリアされてもなお、着物が普段着として定着するのは難しいだろう。着物の振興を本当に願うのであれば、付け焼き刃的な発想でのイベントなどはやめたほうがいい。ましてや「きものの日」を政府が制定するといった創意工夫のない策では、効果がないことは明らかだ。

 日本人の生活様式を根本から考えた上で、着物を普及させる方法を真剣に検討するのが、業界を代表する専門家の責務だろう。
(文=鷲尾香一/ジャーナリスト)

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