ビジネスジャーナル > 企業ニュース > 東芝不正会計、批判は的外れ?  > 5ページ目
NEW
高橋篤史「経済禁忌録」

東芝“不正”会計、「組織的関与・利益かさ上げ」批判は正しい?過去の粉飾事件との比較論

文=高橋篤史/ジャーナリスト
【この記事のキーワード】, , ,

 オリンパスのケースは規模こそ会社存立を危うくするほどのものではなかったが、手口の悪質さが際立っていたため刑事事件化したといえる。純資産の水増し額は多い年に1200億円余りで、これは公表していた純資産額の3割ほどを占める数字。他方で手口は巧妙かつ複雑、そして長期にわたるものだった。1990年代初頭に財テクで生じた含み損を海外のペーパーカンパニーに飛ばしていたが、そのネットワークは年々複雑化、手伝ってもらっていた証券関係者には多額の報酬を与え、大型の企業買収で生じるのれん代を逆手にとって飛ばしていた含み損の解消を図るという、過去に例を見ないものだった。

 では次稿は、トップ以下の組織的関与、そしてこの問題の本質について考えていきたい。
(文=高橋篤史/ジャーナリスト)

※次稿へ続く

高橋篤史/ジャーナリスト

高橋篤史/ジャーナリスト

1968年生まれ。日刊工業新聞社、東洋経済新報社を経て2009年からフリーランスのジャーナリスト。著書に、新潮ドキュメント賞候補となった『凋落 木村剛と大島健伸』(東洋経済新報社)や『創価学会秘史』(講談社)などがある。

東芝“不正”会計、「組織的関与・利益かさ上げ」批判は正しい?過去の粉飾事件との比較論のページです。ビジネスジャーナルは、企業、, , , の最新ニュースをビジネスパーソン向けにいち早くお届けします。ビジネスの本音に迫るならビジネスジャーナルへ!