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セブン、サントリー“切り”加速か 新浪社長の挑発がアダ、メーカーのセブン依存強まる?

文=法理 健/流通ジャーナリスト

コカ・コーラがセブンとの距離を縮める

 もう一方の雄であるコカ・コーラは、サントリーとコンビニ各社との関係性を機敏に察知しているようだ。缶コーヒーのドル箱商品であるジョージアブランドをセブンとのWチョップ商品として3品、NB(ナショナルブランド/メーカー固有のブランド)商品のジョージアより約20円安い価格で4月21日に発売し、売り上げは好調に推移しているようだ。

 新商品を全国の店舗に確実に展開できるのは、セブンは約8割、他チェーンでは6割前後といわれている。店舗数を見ると、セブンは約1万7500店舗、ローソンとファミマ合算は約2万3000店舗となるが、それに商品展開率を掛け合わせると、セブンが約1万4000店舗、ローソンとファミマ合算で約1万3800店舗となる。そのため、大手メーカーにとっては、セブンの重要性が極めて高いのだ。

 飲料以外の分野でも、花王、カルビー、日清食品などのメーカーや、文藝春秋などの出版社がセブンとのWチョップ商品に積極的になっているが、ある意味当然ともいえる。

 コカ・コーラは、本格的なWチョップ商品をセブンだけで発売することにより、他のコンビニでの採用数に影響が出ないか懸念されるところだが、15年度6月までの採用数を見てみると、セブン49品、ローソン50品、ファミマ46品と、ほとんど差が出ていない。

 このコカ・コーラ製品の採用数だけを見ていると、今年の秋口以降にもローソンでジョージアのWチョップ商品を発売するのではないかと勘ぐってしまう。なぜなら、サントリーがボスのWチョップ商品を14年1月にセブンで発売した後、同年7月にファミマ、10月にローソンとWチョップ商品を発売しているのだ。ライバルチェーンとしのぎを削りながら各メーカーと交渉するコンビニの特性からして、ローソンはコカ・コーラとWチョップ商品を計画しているからこそ寛容な対応をしていると考えるのが自然だ。どのような展開になっていくのか、売り場での注視が必要だ。

 業界関係者によると、ソフトドリンク全体のセブンとローソンにおける直近の前年比売り上げは差異がなく、お客にはコンビニやメーカーの取り扱い政策はあまり影響していないようで、商品開発・採用合戦でしのぎを削る2メーカーにとっては寂しい傾向になっている。

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