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碓井広義「ひとことでは言えない」

連ドラ『民王』が、なんだかスゴいぞ!

文=碓井広義/上智大学文学部新聞学科教授
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 登場人物の“心が入れ替わる”という設定はこれまでにもあった。大林宣彦監督作品『転校生』(82年公開)の幼なじみ男女や、『さよなら私』(NHK)の親友同士のアラフォー女性などだ。

 しかし、総理大臣父子となると、本人たちだけの問題では済まない。話が外交など国家レベルにまで発展するあたりが大いに笑える。基本的には政治や権力をめぐるドタバタコメディでありながら、一種リアルな風刺劇にもなっている点が秀逸だ。

 また、遠藤と菅田のテンションの高さが尋常ではない。2人はさだまさしの自伝ドラマ『ちゃんぽん食べたか』(NHK)でも父子を演じているが、まるで別人だ。ワニ顔を千変万化させる遠藤はもちろん、困惑するダメ息子を演じる菅田の怪演も一見の価値がある。同じ池井戸潤の原作だが、“黙ってない”のは花咲舞だけではなさそうだ。
(文=碓井広義/上智大学文学部新聞学科教授)

碓井広義/上智大学文学部新聞学科教授

碓井広義/上智大学文学部新聞学科教授

1955(昭和30)年、長野県生まれ。メディア文化評論家。2020(令和2)年3月まで上智大学文学部新聞学科教授(メディア文化論)。慶應義塾大学法学部政治学科卒。千葉商科大学大学院政策研究科博士課程修了。博士(政策研究)。1981年、テレビマンユニオンに参加、以後20年間ドキュメンタリーやドラマの制作を行う。代表作に『人間ドキュメント 夏目雅子物語』など。著書に『テレビの教科書』、『ドラマへの遺言』(倉本聰との共著)など、編著に『倉本聰の言葉――ドラマの中の名言』がある。

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