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宮永博史「世界一わかりやすいビジネスの教科書」

地方路線バス、驚異の精密運行 秒単位のデータ収集、アンケート調査…3年で事業再建

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 また、埼玉県飯能市にある宮沢湖温泉のバス停では、大幅な遅延が発生していることがわかった。路線を担当する運転手にヒアリングを行い、実際に宮沢湖温泉に行って行動観察を行うと、温泉客が大幅に増加していることがわかった。バス停のある駐車場が以前よりも混雑し、バスの通行を妨げていたのである。しかも、バスの乗客自体も増加していたので、余計乗り降りに時間がかかるようになっていた。

ステップ3「対応策を施し、問題を解決する」

 データを可視化して事実を把握し、原因を探ることによって問題がわかれば、解決の糸口はおのずと見えてくる。

 イーグルバスは、関係各所と交渉してバス停を「峠口」から「病院前」に移動した。その結果、乗客の利便性が増し、さらに乗客を呼び込むことに成功したのである。宮沢湖温泉のバス停については、実情に合わせてダイヤを改正し、乗客の不満を解消した。

 また、バスの運行が多少乱れても電車への乗り換えに余裕ができるように、ダイヤを修正した。特に、高齢者は乗り継ぎに時間がかかるため、高齢者の利用が多い日中に限り、電車との乗り継ぎ時間を5分から10分に延長したのだ。

 より大胆な改革として、航空業界で使われるハブ&スポークという方法を採用した。町の真ん中に中継所(ハブ)となるバス停留所を設置することにしたのである。

 従来の路線は、一つひとつが長いために本数が少なかったり、無駄に重なっている路線があったり、利用者にとってもイーグルバスにとっても非効率的であった。中継所を設けることで利用者の利便性が向上し、イーグルバスにとっても効率的な運営ができるようになった。まさに一石二鳥の方法である。

データ活用のポイント

 さて、イーグルバスの赤字路線バス事業の再生にみるデータ活用のポイントを整理すると、次のような点が挙げられる。

 まず「見えない事業」であった路線バス事業を可視化したことだ。なぜ、そこにバス停があるのか。以前の運行計画は、職員の勘と経験に頼りきっていた。いわば、品質管理も工程管理もなされていない状況だったのである。そして、その対策として、4つの可視化を実行している。

 第一に、乗降センサーとGPSセンサーを導入し、「正確に、精密に、継続的に」データを収集する。その結果、バス停ごとの乗降人数、バス停間の乗車人数や密度、バスと電車の円滑な接続、バスの定時運行などの「運行状況」を正確に把握し、問題と機会の発見につなげている。

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