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牧野知弘「ニッポンの不動産の難点」

訪日外国人の「驚異的な伸び」は、東京五輪後も加速する アジアで激増の「豊かな人々」

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 日本の人口が1億2730万人(13年)であることを考えると、ものすごい数の外国旅行を計画できる「消費者」が、日本の周辺国に存在することになります。

 さらに20年の推計では、この数は中国が6億人、ASEANが1億8000万人になることが見込まれています。現在よりもさらに2倍へ増加するということです。ここでは触れていませんが、台湾、韓国、シンガポール、香港などすでに分厚い中間所得層が形成されている国々も含め、日本に対する旅行需要は今後も大いに膨らんでいくことが容易に予想されるのです。

日本行きの大きなインセンティブ

 アジアを中心とした訪日外国人客増加のもうひとつの要因が、「ビザ要件の緩和」です。特に訪日客の増加が見込まれるASEAN諸国の中のインドネシア、フィリピンおよびベトナムについて日本は次のような「戦略的なビザ要件の緩和」措置を実施しています。

(1)インドネシア向けのビザ免除(在外公館へのIC旅券の事前登録による)
(2)フィリピンおよびベトナム向けのビザの大幅緩和
  ・一時ビザ実質免除(観光目的、指定旅行会社経由)
  ・数次ビザ大幅緩和(発給要件緩和、有効期間の5年への延長)

 また、中国に対しても15年1月19日より個人観光客向けに発給している「沖縄・東北三県数次ビザ」にかかわる経済要件を緩和することにより、日本を訪れる旅行者が大幅に増加することが予想されます。

 そして3番目の要因が為替です。中国の通貨である「元」の円に対する交換レートは10年の平均で1元=12.96円であったものが、現在(15年7月)は19.98円。相場は約5割も円安になっているのです。

 これは旅行者にとっては大変なインパクトです。旅行費用が勝手に半値になってしまったようなものです。特に日本で大量のお土産を購入する中国の人たちにとっては、日本行きの大きなインセンティブになっているのです。

 旅行をする余裕のある中間所得層が増え、ビザ要件が緩和され日本に行きやすくなり、円安で旅費が大幅安になったことで「日本行き」を決断する旅行者が急増したというわけです。そしてこの傾向は為替を別としても、今後、東アジア、ASEAN諸国が順調な経済成長を続けていく限り、ますます強まっていくものと考えられます。少子高齢化を避けることができない日本にとって、「外からやってくる訪日外国人客」の増加は日本の経済、地域社会に大きな影響をもたらすものと考えられます。観光・ホテル産業の未来は明るいのです。
(文=牧野知弘/オラガHSC代表取締役)

●牧野知弘(まきの・ともひろ)
オラガHSC代表取締役。金融・経営コンサルティング、不動産運用から証券化まで、幅広いキャリアを持つ。 また、三井ガーデンホテルズにおいてホテルの企画・運営にも関わり、経営改善、リノベーション事業、コスト削減等を実践。ホテル事業を不動産運用の一環と位置付け、「不動産の中でもっとも運用の難しい事業のひとつ」であるホテル事業を、その根本から見直し、複眼的視点でクライアントの悩みにこたえる。

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