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岡田正彦「歪められた現代医療のエビデンス:正しい健康法はこれだ!」

がん検診を受けると早死にする?放射線検査と「過剰な医療」が寿命を縮める

文=岡田正彦/新潟大学名誉教授
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「肺がん検診を毎年受けると、死亡率が半分に」は正しいのか?

 その日本では、40歳以上のすべての人に毎年、肺がん検診を受けるよう勧奨が行われています。厚生労働省のホームページには、次のように書かれています。

「きちんとした科学的データをもとに検討が行われ、その結果を踏まえて市町村で実施されているものです」

 科学的データとは、厚労省研究班という名のもとに宮城、群馬、新潟、岡山の4県で一斉に行われた、ある調査の結果を指しているようなので、その概要をまとめておきましょう。

 4つの地域では、コンピューターを使えば「肺がんで死亡した人」を簡単に抽出することができ、かつ過去3年間に肺がん検診を受けていたかどうかがわかるようになっていました。そこで、不幸にして肺がんで亡くなった人たち(1035人)が、どれくらい検診を受けていたのかが調べられたのです。ただし比べる相手がいないと評価ができませんから、「現在のところまったく健康」という6713人を同じコンピューターで選び出し、同じ要領で検診歴をカウントしました(対照群)。

 その結果、肺がんで死亡した人たちは、前年に検診を受けていた割合が、対照群に比べ半分くらいだったことがわかったというのです(2年前と3年前の検診歴には差がなかった)。当時、この話は全国ニュースとなり、新聞各紙の1面に「肺がん検診を毎年受けると死亡率が半分に!」という見出しが躍っていました。

 さて、メイヨー・クリニック調査との違いがどこにあるか、考えてみてください。

 その答えは、本連載のタイトル『歪められた現代医療のエビデンス』にも通ずるものですが、簡単ではないため、回を重ねながら明らかにしていきたいと思っています。
(文=岡田正彦/新潟大学名誉教授)

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