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江上隆夫「ブランド戦略ディレクターのぷらっと未来散歩」

アマゾン、人間の概念そのものを変形?買い物の「自由化」、予測出荷…

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 これらのショッピング体験に「モノを買う喜び」がないとはいえませんが、おおよそは義務的なショッピングであり、生活していくことにかかわる「しなければならない買い物」です。私は家内の買い物に付き合いますし荷物も持ったりしますが、生来の面倒くさがり屋であるせいか、食品や日用品で重くなったスーパーの袋を持つことは、そんなにうれしいことではありません。

 アマゾンの動きを見ていると、こうした買い物のうち生活必需品(たとえばトイレットペーパーや歯ブラシ、ミネラルウォーターなど)は早晩、限りなく定期宅配、オーダー宅配に近いかたちになっていくでしょう。それを証明するようなアマゾンのサービスが3月31日に発表されました。それは、「Amazon Dash Button」です。

 これは、モノとしては小型の100円ライターくらいの大きさで、クリックできるボタンがついた物体です。ボタンごとに洗剤(Tide)やひげそり(Gillette)のブランドロゴがついています。ユーザーは、これを、洗剤であれば洗濯機のそばに、ひげそりであれば洗面所の鏡に貼りつけておき、洗剤がなくなりそうな時や、新しいひげそりを購入したいと思った時に、このロゴ入りのボタンを押すのです。すると、その日の夕方には洗剤やひげそりなどの日用品が自宅に届いています。

 ユーザーは、「足りない」「欲しい」と思った時にボタンを押すだけでショッピングのすべての行為、つまり「必要性の認識」「注文」「支払い」「搬入」が終了してしまいます。「これを買わなきゃ」とメモをとる必要も、スマートフォンのアプリやPCを立ち上げてショッピングサイトにアクセスする必要さえありません。欲しいと思った時点で購入が完了するのです。この純粋なリピート購入においては、マーケティングの購買行動のプロセス「AIDMA」(Attention/注意、Interest/関心、Desire/欲求、Memory/記憶、Action/行動)や「AISAS」(Attention、Interest、Search/検索、Action、Share/評価を共有)がほとんど無意味化してしまいます。

 Amazon Dash Buttonは、先に述べたAmazonFreshのサービス地域でしか、まだ実施されていませんが、今後さらに進化すると洗剤そのものが洗剤をオーダーする、あるいはカミソリ自身が替え刃をオーダーする世界に近づきます。「予測出荷」という手法もアマゾンは特許取得しています。これは、つまり「モノのインターネット化」がショッピングの未来を握っているということにほかなりません。食品・日用品においては、マーケティングも大きく姿を変えざるを得ないでしょう。

アマゾン、人間の概念そのものを変形?買い物の「自由化」、予測出荷…のページです。ビジネスジャーナルは、連載、アマゾンショッピングビジネスの最新ニュースをビジネスパーソン向けにいち早くお届けします。ビジネスの本音に迫るならビジネスジャーナルへ!

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