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山本康博「なぜあの商品はヒットしたのか/しないのか」

原宿・表参道スイーツ戦争勃発!なぜ世界中から人気店が続々出店?存続は困難?

文=山本康博/ビジネス・バリュー・クリエイションズ代表取締役

リピートを意識する店舗運営

 ただ、20年以上表参道に在住している筆者の経験では、「はやりはそう長く続かない」というのが現実である。このエリアは店舗の入れ替わりがとにかく激しく、すでにこぞって数多くのスイーツ店が出店しているため、存続は難しい。

 さらに、似た商品の新しい店が同エリアで出店されると、もとからあった店が「もう古い」とみなされてしまい、結果的に存続が難しくなるのだ。たとえばH&Mの店舗は、商品ラインアップの回転率を高くして顧客を飽きさせない工夫を絶えず行っているが、こうした取り組みが必要なのである。リピートを意識する店舗運営こそが、「ヒットの正体」なのである。長く続く店は、その店ならではのサービスや味を必死につくり、日々改良して成長している。

 筆者の持論、「ロングヒット理論」によれば、顧客に「~でいい」ではなく「~がいい」と思わせることが重要であり、新規トライアル客狙い、つまり“一発屋”志向の店は長続きしない。ヘビーユーザーを創出して優遇策を綿密に練り、熱心なリピーターを生み出す仕組みをつくり、顧客に合わせてメニューや内装などに変化を付け、常にチャレンジし顧客の期待を超える店づくりを継続していく必要がある。そうすれば、コロンバンのように何年も続く店になることができる。

 強烈な個性の強い店が立ち並ぶ原宿・表参道。夏休みには、「どの店が東京オリンピックが開催される5年後に残っているのかな?」などを考えながら、一度足を運んでみるといいかもしれない。
(文=山本康博/ビジネス・バリュー・クリエイションズ代表取締役)

山本康博

山本康博

ビジネス・バリュー・クリエイションズ
代表取締役、損保ジャパン顧問。ブランドマーケッター。日本コカ・コーラ、日本たばこ産業、伊藤園でマーケティング、新商品企画・開発に携わり、独立後に同社を設立。これまで携わった開発商品は120アイテム、テレビCMは52本制作。1年以上継続した商品は計算すると3割以上、メーカー側でマーケティング実績35年。現在では新商品開発サポートのほか、業界紙をはじめとしたメディア出演や寄稿、企業研修、大学等でのセミナー・講義なども多数実施。たたき上げ新商品・新サービス企画立ち上げスペシャリスト。潜在ニーズ研究家。著書に『ヒットの正体』(日本実業出版社)、『現代 宣伝・広告の実務』(宣伝会議)、2016年スタンフォード大学 David Bradford 名誉教授、ボストンカレッジ Allan Cohen 教授の推薦書として、世界に向けて英著、 “Stick Out”a ninja in Japanese brand marketingを全世界同時発売開始。『Stick Out~a ninja marketer』(BVC)、現在ブレイク中で話題のAmazon書籍総合1位も獲得したベストセラー『1日1話、読めば心が熱くなる365人の仕事の教科書』(致知出版)の一人として8月1日執筆など。

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