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防カビ剤として塗布されていることの多い0PP(オルトフェニルフェノール)は、もともとは農薬として使用されていましたが、毒性が強いとして1969 年に禁止されました。しかし、77 年に厚生省(現厚生労働省)は食品添加物としての使用を認めました。また翌年には同様に農薬としての使用が禁止されていたTBZ(チアベンダゾール)も食品添加物として使用が認められました。どちらも、輸出拡大を狙うアメリカの強い圧力が背景にあったのです。
当時、厚生省は国立衛生試験所などで、OPPの安全性に関する実験を行い、発がん性のリスクはないと発表しました。一方、東京都立衛生研究所が独自に行った毒性試験では、OPPを摂取したラットの95%にがんが発生したとして、警鐘を鳴らしています。
さらに、柑橘類に塗布されたOPPは、表面だけではなく果肉にまで浸透していることが確認されており、輸入果物は大量に食べ続けると、がんになる危険性が高まるといえます。ほかにも防かび剤は遺伝子損傷性、変異原性、染色体異常といった危険も指摘されています。
加えて、スーパーやコンビニエンスストアで小分けされて売られているカット野菜は、見た目を良くしつつ日持ちさせるために次亜鉛素酸ナトリウムで洗浄されています。健康被害が出るほど残留することはないといわれていますが、次亜鉛素酸ナトリウムでの洗浄によって野菜が持つ栄養素はほとんどなくなってしまうと指摘されています。
体によいと思って食べる野菜や果物ですが、発がん性や遺伝子レベルでの毒性といった農薬のリスクも抱えていることを頭の片隅に置いて、食材は十分に吟味して選びたいものです。
(文=豊田美里/管理栄養士、フードコーディネーター)
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