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三村昌裕「変革の時代と向き合う企業戦略」

日本、国別ブランド指数世界一に 訪日客爆増、企業業績好調…さらなる世界進出のカギとは?

文=三村昌裕/三村戦略パートナーズ代表取締役/戦略コンサルタント
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観光立国目指す日本政府と海外需要取り込む業界戦略

 調査結果とも呼応するように最新の訪日外国人旅行者の数は、約1630万人(14年7月から15年6月までの過去1年間、JNTO統計より)と過去3年で倍増する勢いだ。20年の東京オリンピック・パラリンピックや7月5日に世界文化遺産への登録が決定した「明治日本の産業革命遺産」などを追い風に、観光立国を目指す日本政府が示した20年の訪日外国人旅行者数の目標値2500万人(当初2000万人から上方修正)も現実味を帯びてきた。外国人旅行消費額も14年には2兆円を超えているが、直接的な消費以上の経済効果をもたらすことは間違いない。

 また、円安や原油安を背景に8月初旬に相次いで発表された4~6月期の上場企業の経常利益は、前年同期比で24%増(日本経済新聞社調べ)となった。純利益最高を更新しているブリヂストンをはじめ自動車や電機など製造業を中心とした輸出企業好調の貢献が目立っている。

 一方、外食産業など内需型の企業も復調の傾向はあるものの、競争の激化や慢性的な人手不足の解消など課題も多い。そうしたなか、「すき屋」をチェーン展開するゼンショーホールディングスが中南米で牛丼店を倍増させ、「丸亀製麺」を展開するトリドールが秋にもカンボジアにうどん店を出店する動きを見せている。いずれもすでに競合進出の多い中国や台湾のテコ入れではなく、他社に先手を打つ海外市場開拓を狙った戦略だ。外食産業のこうした海外展開には、企業認知や食文化へのハードルと共に大きなリスクを伴う。

Japanブランド

 こうした局面において、「Japanブランド」が大きな後ろ盾となる。先の調査においても日本と強く結びつくキーワードに「」と「文化」がある。日本食の世界無形文化遺産への登録もあって、日本食への世界的な関心が高まっている背景があるからこそ、自ずと市場醸成へのリスクもコストも軽減される。いわば、Japanブランドの高評価によって、企業の海外新規開拓への地ならしがすでに整っているということができる。

 そうしたなか、繊維業界が業界主導で「JQプロジェクト」を立ち上げ、独自の日本品質の基準による新認証制度「J∞QUALITY」を発足した。「日本を纏う」「it’s “Japan Quality”」を掲げ「日本の技術と美意識の証」となる「染色」「織り・編み」「縫製」までを手掛けた純国産品を対象に、日本ファッション産業協議会が衣料品アイテム毎に認証する仕組みだ。

 認証第1号は、三陽商会の「100年コート」。しなやかな素材の耐久撥水加工や閉めるときにスムーズな「立つボタン」縫製などディテールにこだわり、袖口のメンテナンスやクリーニングを含めた100年オーナープランによるユーザーとの関係性構築の仕組みにも余念がない。

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11:30更新
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