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理央周「マーケティングアイズ」

おいしくても客が来ない店 なぜかリピーターを集め繁盛する店

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2種類の認知

 店に何度も来てくれる「ファン」。マーケティングは、お客様に店のファンになってもらうための活動である。

 では逆に、2回目に来てもらえない、つまりリピートされない理由をご存じだろうか。それは「お客様が忘れてしまうから」なのだ。

 知っていてもらうことの指標に「認知度」があるが、さらに認知度には次の2種類がある。

・知っているかどうか=認知=Recognition
・一番に思い出してもらえるかどうか=想起=Recall

 認知は「フレイバーを知っていますか?」という問いに対して、「はい」または「いいえ」と答えるものである。それに対して想起は「おしゃれなカフェはどこ?」と聞かれたときに、「フレイバーだよね」と一番に思い出してもらえることである。

 一番に想起されることが重要なのだ。そのためにはまず、認知をされていないと思い出されることはない。人は知らないところには行かないし、知らないものを買わない。覚えてもらわないと次につながらないので、永遠に新規顧客を開拓しなければならなくなる。

 認知され一度訪問されたら、次は店内での勝負になる。もちろん、スターバックスコーヒーのように従業員の接客能力の向上に努めることも大事だが、それだけでは「お客様が来たくなる理由」にはならない。

 例えば、通常の飲食店ではメニューは「文字」で書かれている。ほぼすべてのメニューが、カテゴリー別に整然と並んでいることが大半である。だが、人は7つ以上の選択肢があると選べなくなるというデータもある。このような単調なメニューでは、せっかく来店しておいしく食べてもらっても覚えてもらえない。

コンテンツよりもコンテクスト

 筆者が以前立ち寄った、大阪にあるカフェのメニューが画期的だった。まず、雑誌風になっていて、かなり質の高い写真を使っている。中身も記事風に説明されていて、各メニューの素材やレシピの開発ストーリーまでわかる。いわば、いま重要といわれている「コンテクスト=Context」になっている。

 もし、この店でコーヒーを飲むだけのお客様にとっても、これくらいおいしそうな写真とストーリーが載っていると、覚えられる確率はぐんと高くなるであろう。次に、もう一度そのランチやスイーツを食べたくなる。ひいてはクチコミにもつながるのだ。

「コンテンツよりもコンテクストが重要だ」といわれるのは、商品やサービスだけでなく、文脈つまりストーリーや食べる理由が、お客様にとって選ぶ時の大きな判断基準になってきているからである。

 このように、マーケティング活動において重要なことは、小さなカテゴリーでいいのでターゲット層に想起されること。

 そのためには、自社製品の質の高さ(おいしさなど)と、製品の周りのお客様体験の質を上げることが必要になる。
(文=理央周/マーケティングアイズ代表取締役、売れる仕組み研究所所長)

●理央周(りおう・めぐる)
マーケティングコンサルタント、社員研修講師、マーケティングアイズ株式会社代表取締役、関西学院大学専門職大学院経営戦略研究科准教授。1962年生まれ。静岡大学人文学部卒。フィリップモリスなどを経て、インディアナ大学経営大学院にてMBAを取得。アマゾンジャパン株式会社、マスターカードなどで、マーケティング・マネージャーを歴任。2010年に起業し、マーケティングアイズを設立。翌年法人化。収益を好転させる中堅企業向けコンサルティングと、従業員をお客様目線に変える社員研修、経営講座を提供。2013年より教鞭をとる。著書に『「なぜか売れる」の公式』(日本経済新聞出版社)、『外資系とMBAに学んだ「先を読む」会話術』(PHP研究所)など多数。近著には「なぜか売れる 営業の超思考」(日本経済新聞出版社)がある。テレビ・ラジオ・新聞・雑誌への出演、寄稿も多数。
【HP】http://www.businessjin.com/ 

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