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上昌広「絶望の医療 希望の医療」

製薬企業から巨額報酬 医療過誤死亡事故の国立医療センター院長へ…事故の責任も取らず

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 私は、このことに興味をもち、医療センターの院長を務める中村氏のことを調べてみた。

骨粗鬆症学会の大物


 中村氏は、1973年に東京大学医学部を卒業。産業医大教授などを経て、13年4月から医療センターに総長特任補佐として異動している。そして、同年10月から院長に就任した。

 興味深いのは彼の専門だ。整形外科である。つまり、今回の医療事故はお膝元の診療科で起こったことになるし、彼は問題を起こした診療行為、およびその危険性について十分に理解していたはずだ。

 では、中村氏は整形外科の中でもどんなことを専門にしてきたのだろうか。

 医学文献のデータベース「PubMed」で実績を調べると、骨粗鬆症の臨床研究が多いことに気づく。骨粗鬆症は近年、新薬が開発され、急成長している分野だ。中村氏は日本骨粗鬆症学会の理事長も務めた「大物」だ。大規模な臨床研究を主導したこともある。

 例えば、新薬のテリパラチドの臨床研究を主任研究者として推進した。578人の患者を登録した大型研究で、週に1回テリパラチドを皮下注射すると、プラセボ投与群と比較して脊椎圧迫骨折の危険性が80%も低下することを示した。多くの高齢者は寝たきりにはなりたくないと願っている。寝たきりのきっかけは骨折が多い。この研究成果は、このような高齢者にとって吉報である。中村氏は、その研究結果を12年に筆頭著者として米内分泌雑誌「JCEM」で発表した。

 さらに、11年12月に改訂された「骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン」では、作成委員会の副委員長を務め、医療業界誌で「ガイドラインでは新薬テリパラチドのエビデンスや、ビスホスホネート製剤の副作用などにも言及した。これを基準として、プライマリケア医の先生方も治療に取り組んでほしい」とコメントしている。

 まさに、全力でテリパラチドの研究、そして啓蒙に尽力していた医師である。

旭化成ファーマから586万円の報酬


 近年、スイスのノバルティス ファーマや武田薬品工業の研究不正や不適切な広告が発覚し、医師と製薬企業の関係が問われているが、中村氏と製薬企業の利益相反はどうなっているだろうか。

 もちろん、論文の中では製薬企業から資金を得ていたことを言及していた。

 私は、製薬企業からの金の流れを調べてみた。日本製薬工業協会に加盟している製薬企業は、「企業活動と医療機関等の関係の透明性ガイドライン」に基づき、13年度分より医師個人への支払いを公開している。この制度を利用した。

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