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上昌広「絶望の医療 希望の医療」

製薬企業から巨額報酬 医療過誤死亡事故の国立医療センター院長へ…事故の責任も取らず

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 また、今秋発足予定の医療事故調査制度の事務局を担う「一般社団法人日本医療安全調査機構」の理事長は、医療センター元総長の髙久史麿氏、常務理事は前院長の木村壯介氏が務めている。今回の事故対応には注目が集まっている。

院長は名誉職


 繰り返すが、医療事故はシステムエラーだ。システムが機能するか否かはリーダー次第だ。日本国民は低俗なリーダーが引き起こした戦争で塗炭の苦しみを味わった。病院の医療レベルは、結局のところリーダー、つまり院長のレベル次第だ。優秀な人が全力でやってほしいと思うし、当然ながら片手間でできる仕事ではない。

 院長業務の傍ら、かなりの時間を「アルバイト」に費やしていた中村氏は、院長としてどのようにスタッフをリードしてきたのだろうか。なぜ、こんなことが許されるのだろうか。私は、いまこそ中村院長に説明してほしいと思う。

 こんな院長で通用するのは、医療センターが国の組織だからではないか。実務は、厚労省から来た事務方やノンキャリスタッフがやってくれる。病院が赤字を出しても、自らが弁済するわけでなく、補助金で埋め合わせてくれる。これでは本業そっちのけでアルバイトに精を出す院長が生まれても不思議ではない。知人の厚労官僚は「ナショナルセンターでは、院長は名誉職」と言い切る。トップが、こんなことで組織が締まるはずがない。医療事故が起こるのも不思議ではない。

 今回の医療事故について院長である中村氏の責任は大きい。同時に、システムの被害者でもあると思う。彼は、「普通のナショナルセンターの院長」で、運悪く医療事故に遭っただけと思っているだろう。これは国民には不幸だ。トップが無責任だと、組織が緩むのは避けられない。医療事故は繰り返すだろう。

 今こそ、膿を吐き出して、構造的な問題を公で議論すべきだ。
(文=上昌広/東京大学医科学研究所特任教授)

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