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桃田健史「クルマ“周辺”」

クルマの自動運転、いまいち「盛り上がり」に欠けるワケ 高いハードルとリスク

文=桃田健史/ジャーナリスト
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 その熱気が冷めやらぬなか、フォーラムはスタートした。名古屋大学大学院情報科学研究科の加藤真平准教授や、アメリカの半導体メーカー・NVIDIAの大崎真孝日本代表など、ZMPと関係の深い人たちの講演が行われ、それらはZMPへの応援歌に聞こえた。

 また、登壇したZMP社員は、ソニーで動物型ロボット「AIBO」の開発責任者を10年間務めた人や、本田技研工業でF1エンジンのエンジニアを務めた後に経営コンサルティングファームに転職した人などだったが、2人ともまだ入社数カ月の新人だ。

クルマの自動運転、いまいち「盛り上がり」に欠けるワケ 高いハードルとリスクの画像3ZMPの事業内容。自動運転技術を柱に、多角的な経営を目指す

 ZMPは、前述のエアロセンス以外にも他業種との間に合弁会社を設立し、本社事業の拡大に伴い新規雇用を活発化している。自動運転の開発に世界的な注目が集まるなか、ZMPには強い追い風が吹いているようにみえる。

 こうした事業拡大に対して、メディアや経済界、そして自動車業界からさまざまな声が聞こえてくるが、長年にわたって世界の自動車産業を取材してきた筆者は当面、ZMPをニュートラルな目線で見ていこうと思っている。

 自動運転の世界市場での流れは、アメリカが産学官連携によるデファクト・スタンダード化を進めており、投資マネーが大きく動き始めている。09年に誕生した第一次バラク・オバマ政権が打ち出したグリーン・ニューディール政策における“EVバブル”を彷彿とさせるような動きだ。

 一方、日本においては、政府が掲げる「2020年の東京オリンピックを見据えた、次世代テクノロジー開発の飛躍」に基づいて“自動運転バブル”が起こっているようには思えない。

 EVと違い、自動運転の事業化には、法整備や製造物責任(PL)の観点から、かなり高いハードルがある。そうしたなか、同事業で社会の表舞台に出ることは、企業にとって大きなリスクともいえる。

 ZMPはそのリスクを逆手に取り、大きなビジネスチャンスにしようと考えている。

 自動車産業全体が、IT産業との融合などにおいて、大きな変革期に突入している今、ZMPは生き残ることができるのだろうか。
(文=桃田健史/ジャーナリスト)

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