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江田証「医者だけが知ってる 医療のホントとウソ」

低体温=悪のウソ 長寿命の人に特徴? 高体温は要注意、長生きはチョコがいい?

文=江田証/江田クリニック院長、医学博士
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 ただし、低体温の人は高体温の人と比べて、感染症に弱いという弱点はあるようだ。体温は免疫に関わる。低体温の人が気をつけなくてはいけないのは、ビタミンD欠乏である。ビタミンDは日光に当たることで合成され、カテリシジンという抗ウイルス物質を活性化してインフルエンザなどの感染症にかかりづらくしてくれる。ただし、冬場や高緯度の地域では日照時間の低下からビタミンDの不足が生じ、感染症にかかりやすくなってしまうのだ。1日15分間は日光に当たることが重要であり、冬場はビタミンDのサプリメンテーションも考慮しよう。

活性酸素の消去を心がける

 逆に高体温の人は、活性酸素が生じやすい。活性酸素を積極的に消去する生活を心がけたい。

 ビタミンA、C、EやコエンザイムQ10などの抗酸化物質を積極的にとろう。アメリカ農務省(USDA)が発表している「活性酸素吸収能(ORAC)」の値が高い食物を覚えておこう。活性酸素を吸収してくれる食品は、チョコレート、シナモン、レーズン、バジル、玄米、ふすま、ぬか、ココア、松の実、クローブ。特にチョコレートには活性酸素の消去におすすめだ。

 「チョコレートの国別消費量とノーベル賞の受賞者数は比例する」という論文が権威ある医学誌「Lancet」に掲載されている。チョコレートは脳を活性化する。脳の海馬の機能を活性化し、認知症予防にも効果が期待される。研究では、1日20グラムのミルクや砂糖の少ないダークチョコレートを、週3回とるというのが一番動脈硬化を抑える効果が高かった。

 薬剤ではバイアグラの活性酸素低下作用が注目されている。バイアグラを週1回、6カ月間服用すると、活性酸素が3分の1まで低下することがわかっており、バイアグラ、シアリス、レビトラ、ザルティアなどのPDE5阻害薬は、単なる勃起不全薬ではなく、アンチエイジング薬として働くのだ。

 もちろん、低体温の人が積極的に体を温めることは悪いことではない。しかし、人間にはホメオスタシスという体を安定に保つ作用があり、「高体温になろう」と思っても高体温の体質に持続的に変わることはできない。

 以上のように、自分の体温に沿った体のケアをしていくことが重要だ。低体温の人も高体温の人も、よく対処法を知れば、有効な健康リスクマネジメントができるということである。
(文=江田証/江田クリニック院長、医学博士)

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