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渡邉哲也「よくわかる経済のしくみ」

中国の経済危機など比じゃない…忍び寄る米国バブル崩壊、世界的「通貨危機」の兆候

文=渡邉哲也/経済評論家
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 例えば、原油価格の国際指標である米国産標準油種(WTI)は、昨夏は1バレル=100ドルを超えていたが、現在は同40ドル台まで低下している。単純に考えて、同じ量の石油を取引した場合、以前は100ドルを得られていたのに、今は40ドルしか得られなくなってしまったわけだ。

 しかし、アメリカとしては、そういった側面は鑑みず、あくまでアメリカ自身の事情で利上げを行いたい。なぜなら、アメリカ経済が再びバブル崩壊に陥った場合、その影響は中国の比ではなく、アメリカだけの問題では済まないからだ。

 もし、アメリカで再びリーマン・ショック級のバブル崩壊が発生したら、今度は誰がどういった手を打つのだろうか。明確な答えはない。だから、それを未然に防ぐためにも、「利上げをするかもしれない」と言っているのだ。

 また、アメリカと同時期に大規模な量的緩和を行ったイギリスも、同様の状況にある。ロンドンの不動産価格はすでにバブル状態にあり、建設ラッシュが起きているのだ。

 これを早めに抑制しない限り、イギリスもバブル崩壊に陥る可能性がある。アメリカ、イギリスという金融大国の2国が金融危機に陥れば、その影響は計り知れない。そういった可能性を早期に排除しようというのが、アメリカの利上げの意図であるともいえる。
(文=渡邉哲也/経済評論家)

渡邉哲也/経済評論家

渡邉哲也/経済評論家

作家・経済評論家。1969年生まれ。
日本大学法学部経営法学科卒業。貿易会社に勤務し独立。複数の企業を経営、内外の政治経済のリサーチや分析に定評があり、政策立案の支援、雑誌の企画監修、テレビ出演等幅広く活動しベストセラー多数、専門は国際経済から金融、経済安全保障まで多岐にわたり、100作以上の著作を刊行している。

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Twitter:@daitojimari

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