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熊谷充晃「歴史の大誤解」

デタラメだらけの新選組!「鉄の結束と戒律」、劇的なドラマはウソ?

文=熊谷充晃/歴史探究家
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 これを、後進の人気歴史小説家、例えば司馬遼太郎や池波正太郎といった面々が、次々と作中に拝借した。子母澤の「創作」が、いかにドラマチックな展開に不可欠な要素だったのかがわかる。そして、後進による力作もベストセラーとなり、局中法度の名称と共に「私闘~」を含めた5カ条が、さも事実であるかのように世の中に広まっていったのだ。

 また、「脱隊は決して許すまじ」「裏切り者は成敗する」といった、新選組を特徴づけるストイックなイメージも、事実と違っていたようだ。

 新選組が内ゲバともいえる粛清劇を披露したのは、芹沢鴨や伊東甲子太郎一派を相手にした時ぐらいである。何も「地の果てまで追いかける」といったこともなかったようで、脱隊後も生をまっとうした人間も、少なからず存在している。

 それも当然で、局中法度が空想の産物なのであれば、それを規範に実施されたといわれるドラマチックな出来事も、その真偽は危ういものだ。

 フィクションが事実のように扱われ、世間的に定着してしまうことは、よくある。絶大な人気を誇る新選組にも、そういった側面があるということだ。
(文=熊谷充晃/歴史探究家)

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