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神樹兵輔「『縮小ニッポン国』のサバイバル突破思考!」

年間報酬5千万、経費タダ…国会議員という楽園 社会常識ゼロでも世襲議員だらけのワケ

文=神樹兵輔/マネーコンサルタント
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 こういう状況ゆえに、いったん自分が初当選で議員になったなら、なんとか自分のかわいい子弟には、下積みからの苦労をさせず、自分のあとの地盤、看板、カバンを継がせたいという親バカ心理になるのです。地元の利益誘導を目論む後援会組織も、そのほうが面倒くさくなくてよいので、意外にスンナリ子弟の支援も決まります。

 議員の世界は、当選回数がモノをいいます。世襲議員は若くして当選できるからこそ、党内出世も早くなり、役職を次々重ねさらに看板を強化し、地盤とカバンを長期にわたって潤沢にすることもできるのです。有力議員になって地元に権益をもたらしてくれれば、後援会は万々歳です。
 
 おまけに世襲議員間では、お互いの身内意識、仲間意識も強烈に働きます。「キミのお父さんには昔選挙でお世話になったからねえ」などと、有力な地位を得たベテラン世襲議員ともなると、若手の世襲議員をヒョイと引き上げる抜擢人事もできるのです。互助会方式が機能します。だから世襲は効率がよいのです。
 
 お隣の中国では、共産党幹部の子弟たちだけが「太子党」と呼ばれ次々と出世して政府の重要な地位や役職を得たり、国営企業の幹部となって権力と富を一族で手に入れていくという非常にわかりやすい図式がありますが、日本もなんだかこれとかなり似ているのです。

 「選挙で選ばれたから」という錦の御旗があるかないかの違いだけですが、こうして世襲権力の継承を見すごしにしていると、結局のところ国民は政治の本筋から蚊帳の外に置かれ、安倍政権に見るような米国の言いなり政治がまかり通るゆえんともなるのでしょう。

 せっかく、純粋培養で経済的苦労ナシに育ったのですから、せめて世襲政治家にこそ、日本の国益、国民生活の向上のために働くという見識を望みたいところです。苦労知らずのボンボンに、それを求めるのは酷というものでしょうか。

 かくして日本はこれからも世襲議員だらけとなって、国民生活は置いてきぼりになります。選挙の時には「反世襲」の投票行動も考えていただきたい――と願うばかりです。
(文=神樹兵輔/マネーコンサルタント)

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