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富家孝「危ない医療」

川島なお美さん、手術しなければ長生きできた?不自然な治療過程、早期発見の罠

文=富家孝/医師、イー・ドクター代表取締役
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 肝内胆管がんは、もともと術後5年生存率が30~50%とされる難治性のがんだが、手術を受けた後も長生きした人もいるし、受けずに長生きした人もいる。

 ここからは一般論だが、手術が最善の方法とはいえないのである。自覚症状がないなら、たとえがんが発生したとはいっても、そのがんは体に対して悪さをしていなかったからだ。通常、胆管がんは黄疸が出て初めて発見される。

 実際、手術後の川島さんの状態はよくなかった。激ヤセが話題になるほど食欲も落ち、栄養失調状態に陥っていたようだ。これは「悪液質」といって、がんの進行によって引き起こされる衰弱である。悪液質が始まると、脂肪組織や筋肉の萎縮が進み、体中のエネルギーが消失していく。

 がんがあろうとなかろうと、人間は生きていくためには1日最低限1400キロカロリーの摂取が必要だ。これ以下だと、普通の生活ができなくなる。推測だが、川島さんはこうして最期のときまでを苦しみ抜いて亡くなられた。

 人間ドックのような健診でがんが発見されることが、果たしていいことなのだろうか。がんの種類によっても異なるが、がんの摘出手術が有効という確かなデータもない。

 あくまで「イフ」だが、健診によってがんが発見されず、発見されても症状がなかったのだから、手術を受けないという選択もあった。そうすれば、川島さんはもっと長生きできていたかもしれない。このような視点で「がん死」を捉えることも必要ではないだろうか。
(文=富家孝/医師、イー・ドクター代表取締役)

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