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ジャーナリズム

ツタヤのCCC運営の図書館、不可解な図書購入めぐり疑惑浮上!在庫処分に利用?訴訟に発展

文=日向咲嗣/ジャーナリスト
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 唯一大きく変わるのは人件費だけなのだが、そこでも大きな誤解がある。給与の高い公務員が行っていた業務を民間のスタッフに任せれば、それだけ人件費は大幅に抑えられるはずだが、話はそう単純ではない。図書館関係者が内情をこう明かす。

「私が勤めていた図書館には、区の幹部職員である館長を除けば、3つの身分がありました。まず、図書館運営の全般を担う、区に直接雇用された非常勤。次に『チーフ』と呼ばれる数人のスタッフで、こちらは民間請負会社の契約社員です。残りは、請負会社に雇用されて、カウンター業務を担っている主婦や若者たちのパート職員でした」

 つまり、正規職員は館長ひとりだけ。あとはすべて非正規スタッフで賄っていたわけで、業務の一部を切り出して民間にアウトソーシングすることなど、とっくの昔に実施済みだったのである。

非正規労働者から搾取する指定管理者制度

 施設の運営を丸ごと民間に任せる指定管理者制度は、公務サービスの一部委託をさらに進化させた「究極の民間委託」形態である。

 足立区の場合、指定管理施設においては、館長ですら委託会社に雇用される1年ごとの契約スタッフだ。その下にいる数人のフルタイム勤務の契約社員が運営業務全般を司り、直接利用者と接するカウンター業務は、短時間勤務のパートタイマーをシフト勤務で回していく。これにより、役所の直営時代には常につきまとっていた、区の職員が請負会社の現場スタッフに直接指示命令を出す「偽装請負」の法律違反を犯す危険性は完全に解消されるうえ、人件費をさらに低く抑えることが可能になった。

 それぞれの待遇について、図書館関係者がこう解説する。

「指定管理になると、館長ですら年収300万円前後。フルタイム職員はさらに安く250万円前後、パート職員に至ってはほぼ全員が年収103万円以下。パートは時給にすると最低賃金より数十円高いレベル。昇給は数年に一度あるかないか。もちろん賞与はナシ。それでいて、パートは希望しても週30時間以上シフトに入れてもらえませんので、社会保険には加入できません。最近は、パートの就労時間を1日4時間・週20時間未満に抑え、雇用保険にすら加入しない悪徳図書館もあります。一人前に稼ぎたい人は、ほかの仕事と掛け持ちするしかありません」

 非正規スタッフの比率を極限まで高めることで、指定管理者は「利益」を捻出する仕組みだ。いわば「乾いた雑巾を絞る」ようにして利益を出すのだから、これぞまさしく「官製ワーキングプア」の見本のような苛酷な労働現場である。
(文=日向咲嗣/ジャーナリスト)

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