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鷲尾香一「“鷲”の目で斬る」

割高料金で乗客減…ジリ貧タクシー業界が激変?運転手は年収約3百万円で長時間労働…

文=鷲尾香一/ジャーナリスト

若者や女性の採用拡大、サービスも向上へ

 運賃設定の柔軟化による潜在需要の掘り起こしについては、高齢化社会の到来と共に、高齢者による買い物や通院など近距離の利用ニーズが高まっていることから、初乗り距離短縮運賃の導入を促進する。

 加えて、タクシー需要が減少する時間帯での利用促進を図るために、昼間の運賃設定についても柔軟化する意向だ。

 社会貢献においては、子育て支援や女性活躍の促進という点から、マタニティタクシーや子育てタクシーといったサービスの普及を進め、利用者拡大を図る。

 さらに、ユニバーサルデザイン(UD)タクシーの導入拡大、ユニバーサルドライバーの研修拡充を進める。UDタクシーとは、足腰の弱い高齢者や車椅子使用者、妊婦、子供など誰もが利用しやすいタクシー車両のことだ。もちろん、予約の有無に限らず、一般のタクシーと同じように誰でも使うことができる。このUDタクシーの専用レーンを空港などに設置することで、利用拡大を目指す。

 こうした施策を進めるためには、運転手の確保とサービスの向上が重要になる。そのため業界では、前述した研修制度の充実と同時に若年層や女性の採用を拡大する意向だ。

 日頃、タクシーを利用することの多い筆者は、運転手と世間話をすることが多い。彼らの口から聞くのは、「1日中運転席に座っているため運動不足になり、体力が落ちている」「最近のタクシー車両はオートマチック車が多く、左足を使わないため、左足の筋力がなくなってきている」という言葉だ。業界には、運転手の体力維持や健康管理にも、ぜひ気を配ってほしい。
(文=鷲尾香一/ジャーナリスト)

鷲尾香一/ジャーナリスト

鷲尾香一/ジャーナリスト

本名は鈴木透。元ロイター通信編集委員。外国為替、債券、短期金融、株式の各市場を担当後、財務省、経済産業省、国土交通省、金融庁、検察庁、日本銀行、東京証券取引所などを担当。マクロ経済政策から企業ニュース、政治問題から社会問題まで様々な分野で取材・執筆活動を行っている。

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