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渡邉哲也「よくわかる経済のしくみ」

中国経済崩壊で訪れる未曾有の事態 疑惑まみれの経済統計、世界中が「見放し」か

文=渡邉哲也/経済評論家
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 しかし、ここ数年の中国は保八を割り込んでいる。中国国家統計局の発表によると、2014年の成長率は7.3%であった。15年の目標成長率は7.0%で、4~6月期の成長率は7.0%である。

 しかし、昨年の成長率が本当に7.3%だったのか、今年4~6月期の成長率が本当に7.0%だったのかについて、鵜呑みにしないほうがいいだろう。なぜなら、中国においては政府発表の公式な数字であっても、その真偽が危ぶまれているからだ。いわば、中国の統計は、あてにならないのである。

 そんな中国経済を測る上で、最も大切な指数といわれているのが「李克強指数」と呼ばれるものだ。

 李克強とは、現在の国務院総理(首相)だが、遼寧省の党委書記を務めていた際に「鉄道輸送量」「電力消費量」「銀行融資」の3つを、比較的信頼できる数字として挙げたことがある。以来、この3つは李克強指数として、中国経済の内情を測るためのツールとして使われている。

 この李克強指数を見れば、どのくらいエネルギーが消費され、モノが輸送されているかがわかるわけだが、近年はいずれも下落基調にある。それを鑑みると、実質的な中国の成長率は良くて3%程度、悪ければマイナスという試算まで出始めている。

 あらゆる面で、中国の発展は、すでに限界に達しているといえるだろう。その具体的な中身については、次回以降に見ていきたい。
(文=渡邉哲也/経済評論家)

渡邉哲也/経済評論家

渡邉哲也/経済評論家

作家・経済評論家。1969年生まれ。
日本大学法学部経営法学科卒業。貿易会社に勤務し独立。複数の企業を経営、内外の政治経済のリサーチや分析に定評があり、政策立案の支援、雑誌の企画監修、テレビ出演等幅広く活動しベストセラー多数、専門は国際経済から金融、経済安全保障まで多岐にわたり、100作以上の著作を刊行している。

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