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VW不正、根底にドイツの覇権主義的体質か…世界の合意を破壊する積極的悪意の根源

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ドイツ企業の覇権主義

 
 かつて日本の有力企業の経営者に、「貴社の分野で国際的に最も強い企業はどこですか?」と尋ねたことがある。その時、同氏は間髪を入れず「ドイツのB社です」と即答した。同氏がビジネスで接するドイツの有力企業の多くは、「世界のトップに立ちたい」「国際市場を支配してやるんだ」という意欲が強いと指摘していた。そうした覇権主義的な意欲が強いこともあり、ドイツ企業の事業リスクの取り方は、日本の企業などよりもはるかに積極的な面があるという。そうした意欲の源泉をたどると、ドイツは歴史上、神聖ローマ帝国の末裔であり、世界に覇を唱える意識が強いのかもしれない。

 足元のドイツ経済は、東西ドイツ統一時の低迷から完全に脱却しており、統一通貨ユーロが通用するドイツの経済圏はかなり広がっている。堅調なドイツ経済に歩調を合わせて独有力企業の世界市場でのプレゼンスはますます高まっている。

 自動車業界でも、VWトヨタに肉薄する存在で、世界市場の中で日本メーカーと熾烈な競争劇を演じている。特に、同社は中国で早い段階からトップブランドとしての地位を確固たるものにしている。

 一方、世界有数の市場である米国では、今のところやや苦戦を強いられており、日本メーカーの先行を許す格好になっている。同社としては、自慢のクリーンディーゼルのブランド・イメージを定着させて、米国市場でも可能な限りシェアを高めたいと考えたことだろう。米国市場でシェアを引き上げることができれば、すでに優位な地位を持つ欧州や中国市場と合わせて、世界自動車メーカーのトップの地位を手にすることは難しくない。そのためには、なんとかして米国の排ガス規制をクリアする必要があった。

マイナス効果しかもたらさない不正行為

 今後の措置については、まず事実関係を明らかにすることから始まるものの、恐らくどこかの時点で多くの自動車のリコールを行うことになるだろう。また、それとは別に、米国当局は刑事事件としても捜査する。米国だけではなく、ドイツやフランス、イタリア、韓国などが本格的な調査に乗り出す方針という。VWは、EPAから科される罰金やリコール費用などを負担することになる。

 それと同時に、企業にとって最も重要な顧客からの信頼を損なう。それは同社にとって計り知れない損失だ。過去の消費者アンケート調査などによると、自動車購買者の多くは、製品自体の信頼性・安全性を重視する傾向が強い。それを考えると、VWがライバルであるトヨタ自動車など日本メーカー対策の一種の切り札的な技術としてきたクリーンディーゼルの信頼に傷が入ったことは、今後のVWに大きなマイナスになる可能性がある。

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